主治医に相談したいことと、経過観察のポイント

「まだ薬を飲むほどではないから」と病院を遠ざけるのではなく、医療機関を「自分の健康を守るためのパートナー」として活用してみてください。
診察時に聞きたい質問事項
自分に合った対策を知るために、次の3つのポイントを先生に尋ねてみてください。
質問:「あと何kg減らしたら、正常な数値に戻れそうですか?」
【理由】目標の具体化
漠然と「痩せる」ではなく、具体的な目標体重を医師と共有することで、挫折しにくい現実的な計画を立てるためです。
質問:「私の食事内容で、これだけは避けるべき!という一番の弱点はどこですか?」
【理由】効率の最大化
血糖値が上がる原因は人それぞれです。自分では気付かない「意外な落とし穴」をプロに指摘してもらうことで、最短距離での改善を目指します。
質問:「次の検査までに、HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)をどれくらいまで下げるのが理想ですか?」
【理由】頑張りの可視化
過去1〜2カ月の平均を示すHbA1cに明確なゴールを設定することで、次回の検査を「努力の答え合わせ」という前向きな場に変えるためです。
さらに相談しておきたい「生活改善」のポイント

数値の目標だけでなく、日々の過ごし方についても一歩踏み込んで相談してみましょう!
質問:「私に合った運動の強度や、控えるべき動作はありますか?」
膝や腰に痛みがある場合や、他の持病がある場合、無理な運動は逆効果です。安全で続けやすい運動量を相談しておきましょう。
質問:「今の生活スタイルで、優先して変えるべき習慣は何ですか?」
仕事の付き合いや深夜までの残業など、個々の生活背景に合わせた「無理のない妥協点」を一緒に見つけてもらうことが大切です。
このように、境界型(予備軍)の段階では「生活習慣の改善」が治療の主役となります。しかし、患者さんの状況によっては、生活の見直しと並行して「お薬」の力を借りることが、将来の自分を守るための最善策になる場合もあります。
薬を飲み始める「目安」と、大切な「経過観察」
通常、境界型(予備軍)の方は生活習慣の改善が第一歩ですが、以下のようなケースでは早期の薬物療法を検討することもあります。
・生活改善を数カ月続けても、数値が上昇傾向にある場合
・ご家族に糖尿病の方が多く、遺伝的なリスクが高いと判断される場合
・すでに高血圧や脂質異常症(コレステロールなど)があり、血管に負担がかかっている場合
定期的な血液検査は、決して「採点」ではありません。あなたの頑張りがどれくらい数値に反映されているかを確認するための、大切な「答え合わせ」の場でもあります。もし数値が思うように下がらなくても、それは対策を見直すチャンスです。気付いたこと、不安なことをしっかり担当医に相談しましょう!
まとめ
健康診断の結果で「境界型」と言われたことは、決して「終わり」ではなく、健康な未来を自分の手に取り戻すための「始まり」です。この境界型の段階で行動を変えられるかどうかは、その後の人生の質に大きく関わります。もちろん、完璧主義に陥って100点満点の生活を目指す必要はありません。大切なのは、完璧を目指すことよりも「続けられる工夫」を一つでも多く取り入れることです。
「まずは一口目に野菜を食べる」「エレベーターではなく階段を使う」といった、一見小さく思える工夫の積み重ねが、数年後のあなたの血管と膵臓を確実に守り抜きます。ひとりで悩む必要はありません。主治医と二人三脚で、楽しみながら血糖管理に取り組んでいくことが、継続の何よりの秘訣です。まずは次回の受診日をスケジュール帳に書き込み、私たち医師と一緒に、無理のない健やかな一歩を踏み出していきましょう!
※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
著者/監修/橋本将吉 先生
株式会社Gift Circle(リーフェグループ)代表取締役。内科医。西新宿セルフライフ内科クリニック院長として、患者様の生活習慣に寄り添った診療をおこない、特に予防医学に力を注いでいる。総合診療医として、生活習慣病や感染症、誤嚥性肺炎など、日常診療で頻繁に遭遇する疾患を幅広く診療。医療現場での経験をもとに、「わかりやすく、すぐに役立つ医学情報」の発信を重視している。また、全国7校舎を展開する医師個別指導塾「医学生道場」を運営し、82名の医師講師とともに次世代の医師育成に取り組むなど、医療教育分野にも精力的に携わっている。
YouTubeチャンネル「ドクターハッシー/内科医 橋本将吉」では、病気の予防や健康管理、食事・運動・睡眠といった生活習慣をテーマに、医学的根拠に基づいた情報を一般向けに発信。テレビ・ラジオなどのメディア出演も多数。

