友人に背中を押され覚悟を決める
昼休み、私は佐代子に電話をかけました。
『美恵子、まだそんなこと言ってるの? ご主人はもう、ただの投資家じゃないよ。それは立派なギャンブル依存症。病気なの。話し合って治るレベルじゃない』
「わかってる……。でも、家が。子どもの環境を変えたくないの」
『だったら、ご主人を法的に排除する方法を考えなきゃ。誓約書があるなら、それは強力な武器になるわ。でも、一人で戦わないで。義両親も巻き込んで、逃げ道を塞ぐのよ』
「義両親……」
庸介の両親は、穏やかですがどこか息子に甘いところがあります。でも、今の庸介の異常さを知れば、味方になってくれるでしょうか。
私は夕方、仕事帰りに保育園へ向かいました。
「ママ! パパは? 今日はパパとお風呂入る約束したんだよ!」
無邪気なカンナの声が、胸を締め付けます。
「パパはね、ちょっと遠くにお仕事に行っちゃったの。しばらく、ママと三人で頑張ろうね」
嘘をつく自分に嫌気がさしましたが、決意は固まりました。 今夜、庸介が帰ってくる前に、私は家の鍵を閉め、チェーンをかけました。そして、彼にメールを送りました。
『荷物はまとめて玄関に置いておきます。今夜は実家にでも泊まってください。話し合いは、後日、お義父さんたちも交えて行います』
あとがき:奪われるべきは「加害者」の居場所
「離婚=妻と子が家を出る」という理不尽な公式に立ち向かう美恵子さんの姿に、思わず拳を握りました。子どもたちの笑顔と今の生活を守るためには、ただ悲しむのではなく、戦略的に動く強さが必要です。家の鍵を閉め、チェーンをかけたあの瞬間。それは美恵子さんが「夫に振り回される人生」を自らの手でシャットアウトした、再出発への第一歩だったと言えるでしょう。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています
記事作成: ゆずプー
(配信元: ママリ)

