スタッフさんが駆けつけてくれて…
あまりの理不尽さに頭が真っ白になりながらも、私は「やめてください! 返してください!」と強い口調で訴えました。すると、騒ぎに気づいた周囲の宿泊客の方たちもざわざわと集まり始めたのです。
心配そうに見つめる周囲の視線によって気まずくなったのか、男性はほんの少しだけ態度を緩めました。
そこへ、異変を察知した女性スタッフさんが急いで駆けつけ、「どうされましたか?」と間に入ってくれました。私たちが事情を説明すると、スタッフさんは即座に男性に向き直り、「お客様、そのような行為はご遠慮ください」と毅然とした態度で注意してくれたのです。
男性は「大げさだな」と不満げに文句を言いつつも、渋々おもちゃを返却。そのままブツブツと独り言を言いながら立ち去っていきました。
男性が去った後も次女はしばらく泣き止まず、「怖い人いたね……」と何度もおびえたようにつぶやいていました。長女もショックを受けたのか、いつもより口数が少なくなってしまい……。
楽しいはずの旅行が緊張した時間に変わってしまいましたが、その後すぐに夫が合流。事の経緯を報告すると、夫も一緒に子どもたちをやさしくフォローしてくれました。家族で寄り添って過ごすうちに安心したのか、しばらくすると娘たちにいつもの楽しそうな笑顔が戻ってきて、ホッと胸をなでおろしました。
旅先ではどうしても気持ちが開放的になりがちですが、見知らぬ他人との距離感には本当に気をつけなければならないと痛感しました。あのとき、旅館のスタッフさんが迅速に対応してくれたことだけが救いでしたが、一歩間違えればさらに大きなトラブルに発展していたかもしれません。せっかくの楽しい時間だからこそ、何があっても家族を守るという意識を常に持っていなければいけないと、強く心に刻んだ出来事でした。
著者:高橋さくら/30代女性。2019年生まれの長女、2021年生まれの次女、夫の4人暮らし。介護福祉士としてデイサービスに約5年勤務後、出産を機に退職。現在は在宅ワークをしながら子育て中。人の気持ちに寄り添うことを大切にしている反面、心配性な一面も。趣味はカフェ巡りと家族旅行。
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2026年5月)
※AI生成画像を使用しています

