
東日本産直ビーフ研究会の会員である牛農家・糸賀貴志氏は、千葉県の旭市立滝郷小学校(以下、滝郷小)で牛のエサやり体験を実施している。
5月19日(火)に3年生向けに開催され、6月2日(火)には5・6年生に向けて開催予定だ。
食育授業が生まれた背景

昨今の教育現場では、プログラミングをはじめとするデジタル教育が進んでる。一方で、実際の現場に足を運び生産者や地域で働く人と直接触れ合う体験型の学びの機会は、まだまだ少ない状況と言えるだろう。
東日本産直ビーフ研究会の会員である牛農家・糸賀貴志氏は、そうした状況に課題を感じる中で自らPTA役員を務めていた滝郷小で当時の校長と対話を重ね、食育授業を提案。ボランティアとして毎年牛へのエサやり体験と、食肉に関わる親子の実話から生まれた紙芝居の読み聞かせ授業を継続して実施してきた。
「命をいただく大切さ」を五感で伝える食育授業
エサやり体験では、子どもたちが実際にワラやペレットと呼ばれるエサを牛に与え、牛になめられるなどの触れ合いを通じて、牛の大きさやにおい、可愛らしさを五感で感じられる。また、実際の現場で体験することで、子どもたちは「食」をより身近に学べるだろう。
さらに同年秋には、紙芝居「いのちをいただく」の読み聞かせも予定しているとのこと。食肉業に関わる方の実話をもとにした物語で、牛の命をいただく葛藤と家族の言葉を通じて「生きるために他の命をいただいている」ことの重みを伝える内容だ。
小学5・6年生にはこれらに加え、牛のゲップを減らすなどSDGsへの取り組みや地域産業に関する講話も実施するという。

「本当においしい牛肉を追求し、届け続ける」ことを理念とする東日本産直ビーフ研究会は、地域の高校や小学校で食育授業を実施し、牛肉が食卓に届くまでに生産者がどのような工夫や努力をしているのかを伝えることで、子どもたちが「食」と向き合うきっかけづくりを行ってきた。
食育授業では「命の大切さ」を伝えることを大きな目的としているそう。自分たちが口にする食べ物はもともとすべて生きていた存在であり、その命をいただくことで自分の体はつくられている。牛と直接触れ合う五感を使った体験は子どもたちの記憶に強く残り、食べ物やそれを育む存在への感謝を育むとともに「命をいただいて生きること」の大切さを大人になっても忘れない人生の糧としてほしいと東日本産直ビーフ研究会は考えている。
