ママ友からの謝罪
そんなある日の午後、幼稚園のうら門で、一人立ち尽くす周子ちゃんを見かけた。
以前のはなやかさは消えうせ、肩をおとし、ひどくつかれた様子だ。 彼女はこちらに気づくと、おびえたような…すがるような複雑な表情をうかべた。
「愛美ちゃん」
カサカサの声で、彼女が私を呼んだ。
「ただ、愛美ちゃんみたいになりたかっただけなの。愛美ちゃんはキラキラしてて、えらぶものが全部正解で……。私には、何にもないから」
涙をながしながら告白する彼女の言葉は、あまりにもおさなく、痛々しいものだった。
私は彼女の肩に手をおこうとして……思いとどまった。
ここでやさしくすれば、また彼女は私に依存し、マネを始める。 それは彼女のためにも、私の家族のためにもならない。
「周子ちゃん。私はあなたに正解を教えるガイドブックじゃないよ」
私は努めて冷静に、でもはっきりと告げた。
あとがき:決別の勇気
泣き縋る相手を突き放すのは、心がいたむものです。でも、ここで手を貸せば、彼女はまた「だれかの影」としてしか生きられなくなります。
愛美がえらんだのは、つめたさではなく、おたがいの人生を尊重するための「境界線」でした。他人の「正解」をなぞることでしか安心を得られなかった周子の悲劇は、自分自身の足で立つことのむずかしさと大切さを、私たちにきびしく問いかけます。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています
記事作成: ゆずプー
(配信元: ママリ)

