
梅雨の時期は「六月病」に注意(画像はイメージ)
【要注意】これが“うつ病”の可能性がある「症状」です(画像14枚)
「朝起きるのがなんだか憂鬱(ゆううつ)」「休んでいるはずなのになぜか疲れが取れない」など、原因がよく分からない不調に悩みを抱えている人は多いのではないでしょうか。特にこれからの時期は梅雨で気分が落ち込みやすく、単なる疲れなのか、心の病気の可能性があるのか、自分では判断がつきにくいところもあるでしょう。6月に心身に不調が出ることは「六月病」と呼ばれており、注意が必要です。
今回は、心理カウンセラーのうるかすさんに、疲れと心の病との違いに関するチェックポイントや、「上手に休む」方法について聞きました。
ストレスで自律神経が乱れると慢性的な疲れの原因に
Q.6月に「朝、どうしても体が動かない」という状態に陥った場合、これは甘えなのでしょうか。単なる疲れと六月病を見分けるサインについて、教えてください。
うるかすさん「頭では起き上がりたいと思っているはずなのに、心と体がそれについていかないという状況は、単なる疲労だけではなく、ストレスや自律神経の乱れ、精神疾患における身体的症状が要因となっている可能性があります。
休息を取って数日で回復するようであれば日常生活に支障を来すことはありませんが、『いくら休んでも疲れがとれない』『ずっと体調が悪い感じがする』といった慢性的な症状になってしまっている場合、単なる疲労感とは異なり、脳や体の負担が大きくなっている可能性が高いかもしれません。
ストレスに長くさらされる状態が続くと、自律神経の乱れが生じます。さらに、心身を休めたり、リラックスさせたりするための副交感神経への切り替えが難しくなってしまい、常に交感神経が優位な状態になると、過緊張や不安、心拍数や血圧の上昇などが起こります。
これによって、常に疲れてしまったり、睡眠障害などを引き起こし生活リズムが崩れてしまったりすることで、慢性的な疲れを自覚することもあるでしょう。
このように、日常生活に支障を来す程度の慢性的な疲労感は、『甘え』や『怠け』などではなく、身体が休息を欲しているサインです。『今は休むことが最優先』と考えて、心身ともに回復できるように休息ができると良いですね。
ただし、休息を取るときはひたすら寝て過ごすというよりは、生活リズムを安定させるためにも起床、就寝の時間帯をなるべく固定することをおすすめします」
休むと罪悪感に襲われるのはなぜ?
Q.休日を寝て過ごすと「1日を無駄にした」と罪悪感に襲われます。心理学的に見て、最も心が回復する「正しいダラダラ」の定義はありますか。
うるかすさん「『何もしない日』というのは、しっかり休息を取ることができたととらえられる半面、『何もできなかった、無駄な1日だった』とネガティブにとらえてしまう人もいらっしゃいますね。
休みに予定を入れることが、その日1日を充実させるためのポジティブな考えのもと計画されているのなら良いのですが、『予定を入れなくちゃ』という義務感にさいなまれてしまうと、休むことが苦手という傾向になってしまいがちです。
休むべきときに休む習慣がつくれなくなってしまうと、本当は心身ともに疲れて休息が必要にもかかわらず、頑張り過ぎてしまったり、何もせずダラダラしてしまったと自分を必要以上に責めてしまったりするなど、心理的にも良くない状況が続いてしまいやすくなります。
遊戯療法の領域でもたびたび引用されるオランダの歴史学者のヨハン・ホイジンガは、『遊びはそれ自体が目的であり、無目的なものである』と述べています。遊びには『何か成果を出すため』『役に立つため』といった目的が必ずしも必要ではなく、その時間そのものに意味があるという考え方です。
私たちはつい、『休むなら回復しなければ』『休日なら有意義に過ごさなければ』と考えがちですが、心の回復も同じで、『回復しよう』と頑張り過ぎることで、かえって休むこと自体が課題や義務になってしまうことがあります。
むしろ、『心を回復させよう』と意識し過ぎず、目的を持たずにぼんやり過ごしたり、気づけば時間が過ぎていたりするような時間こそ、人間らしさを取り戻す大切な営みなのかもしれません。結果として、そうした『無目的な時間』が、最も自然な心の回復につながることもあるように思います」
