逃げ場のない3階で
家の中にいても、全く心が休まりません。
スプーンを床に落とした音、おもちゃをひっくり返した音、湊が弾んだ拍子に尻もちをついた音。そのたびに心臓が跳ね上がり、階下の住人の顔を想像しては縮み上がる思いでした。
「どうして3階なんだろう」
「どうしてこんなに響くんだろう」
そんな答えのない問いが頭を巡ります。クッションマットを広げてみても、湊がその上だけで遊んでくれるはずもありません。マットのない廊下で足音が響くたび、私は湊の足首を掴みたくなってしまう衝動を必死で抑えていました。
元気なはずの息子を「静かに」と縛り付け、自分たちも息を潜めるように暮らす毎日。このアパートの3階は、私たちにとって逃げ場のない檻のようにも感じられました。
暗闇の中で願うこと
夜、湊がようやく眠りにつき、静寂が訪れたリビングで一人座っていると、涙がこぼれそうになります。
「明日は雨が降りませんように。外で湊を疲れさせられますように」
そんなことばかりを願っている自分に気づき、悲しくなりました。本来なら、家は一番リラックスできる場所であるはずなのに。
集合住宅で子どもを育てる難しさ。周囲への申し訳なさと、子どもをのびのびさせてあげられない不甲斐なさの間で、心はいつも揺れ動いています。
今日も湊を早めに寝かせ、暗い部屋でそっと息を吐きます。階下からの物音に耳を澄ませながら、私は明日もまた、湊を連れて「外」へと向かいます。この不安がいつか晴れる日が来るのか、今はまだ分からないまま、静かな夜が更けていくのでした。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています
記事作成: kumasan
(配信元: ママリ)

