知っておきたい公的制度
大腸内視鏡検査やポリープ切除など、医療費が高額になる場合には、公的制度を活用することで自己負担を大きく抑えることができます。診断がついてからではなく、検査が予定された段階で準備を始めることが大切です。
■ 高額療養費制度(こうがくりょうようひせいど)
1ヵ月(1日〜月末)の間に同一の医療機関等で支払った医療費の自己負担額が、一定の限度額を超えた場合に、超えた分が後から払い戻される制度です。限度額は収入によって異なり、たとえば年収約370万〜770万円の方の場合、自己負担限度額は「8万100円+(医療費合計額-26万7,000円)×1%」の計算式で求められます(2024年時点)。医療費が10万円かかった場合でも、この制度を利用することで実質的な自己負担を抑えることができます。
申請窓口:加入している健康保険組合・協会けんぽ・各市区町村の国民健康保険窓口
■ 限度額適用認定証(げんどがくてきようにんていしょう)
高額療養費制度を事前に申請することで取得できる証明書です。「限度額適用認定証」を医療機関の窓口に提示すると、窓口での支払いを自己負担限度額までに抑えることができます。後から申請して払い戻しを受けるよりも、一時的な現金の負担が少なくて済むため、大腸内視鏡検査やポリープ切除が予定されている場合は、受診前に確認しておくと安心です。申請から取得まで1〜2週間かかる場合があるため、早めの手続きをおすすめします。なお、マイナンバーカードを健康保険証として利用している場合は、オンライン資格確認システムに対応した医療機関であれば、限度額適用認定証の事前申請がなくても、窓口での支払いが自己負担限度額まで自動的に反映されます。
申請窓口:加入している健康保険組合・協会けんぽ・各市区町村の国民健康保険担当窓口
■ 難病医療費助成制度(なんびょういりょうひじょせいせいど)
血便の原因として、クローン病や潰瘍性大腸炎(かいようせいだいちょうえん)などの炎症性腸疾患が診断された場合、国の指定難病として「難病医療費助成制度」の対象となる可能性があります。認定されると、指定難病に関連する医療費の自己負担割合が2割に軽減され、所得に応じた月ごとの自己負担上限額も設定されます。なお、もともと1割負担の対象者は引き続き1割負担となります。また、助成対象となるのは指定難病に関連する医療費に限られ、ほかの疾患に対する診療費は通常の自己負担となります。診断がついたら、主治医や医療ソーシャルワーカー(いりょうそーしゃるわーかー)に早めに相談することをおすすめします。
申請窓口:お住まいの都道府県の保健所・保健センター
※医療ソーシャルワーカーは、主に総合病院などに配置されている福祉の専門相談員です
こんな血便はすぐ受診を——放置が危険なサイン
血便のなかには、緊急性の高いものがあります。「きっと痔だろう」と自己判断して放置することで、大腸がんなどの重大な疾患の発見が遅れる恐れがあります。以下のような症状がある場合は、できるだけ早く医療機関を受診してください。
症状・状況考えられる主な原因緊急度
大量の出血・血の塊が出る大腸がん・憩室出血・虚血性大腸炎◎すぐ受診
黒い便(タール便)が出る胃・十二指腸潰瘍・食道静脈瘤◎すぐ受診
便に粘液と血液が混じっている潰瘍性大腸炎・大腸がん〇早めに受診
体重が急激に減少している大腸がん・炎症性腸疾患〇早めに受診
便が細くなった・残便感がある大腸がん・直腸がん〇早めに受診
50歳以上で初めて血便が出た大腸がんのリスクが上昇〇早めに受診

