半年後…愛美は公園ではでなウェアを着た周子と再会する。娘の言葉をきっかけに、自分の「好き」を見つけ始めた彼女。愛美はたしかな変化を感じる。誰のマネでもない「自分らしさ」をえらび、2人は別々の道を歩み始めた。
ママ友に距離をおく提案をする
「愛美ちゃんの言うとおりだよね。ごめんなさい」
周子ちゃんは、しぼり出すような声で謝罪した。
「私、愛美ちゃんをマネしていれば、自分もしあわせになれるってかんちがいしてた。でも、ネットであんなに言われて…ようやく気づいたの。私は、愛美ちゃんのカゲになりたかっただけなんだって」
彼女の目から涙があふれた。
「みくにも、いやな思いをさせちゃった。幼稚園でもうわさになってるみたいで…」
私は深呼吸をして、あらかじめ夫と話し合っていた結論を伝えた。
「周子ちゃん、しばらく距離をおこう。私は、周子ちゃんに"私"を盗まれるのが、本当にこわかったの。しばらくは会わないし、SNSも見ないでほしい」
彼女は小さくうなずいた。
「うん…またどこかで会うかもしれないけど。その時は…ちゃんと自分の好きなものを見つけた私でいたい」
久々に再会したママ友は…
Ⓒママリ/画像の生成にAIを活用しています
周子ちゃんはSNSをやめ、幼稚園でも必要最低限の付き合いに徹しているようだ。
風のウワサでは、彼女はカウンセリングにかよい始め、自分がなぜ他人に依存してしまうのかを見つめ直していると聞いた。
半年後… 私は久しぶりに、海斗と2人で少しとおくの公園へあそびに行った。 そこには、どろだらけになって笑う、周子ちゃんと、みくちゃんの姿があった。
周子ちゃんが着ていたのは、私が絶対にえらばないような、ハデな原色のスポーツウェア。
以前の彼女なら、私の好みに合わせて、ベージュやパステルの控えめな服をえらんでいたはずだ。
「あ…愛美ちゃん」
彼女は一瞬、戸惑ったような顔をしたが、すぐに自然な笑顔を見せた。
「この服、変かな?みくが、お母さんは赤が似合うよって言ってくれたから…思い切って買ってみたんだ」
「すごく似合ってるよ!元気が出そうな色だね」
おたがいに、それ以上の会話は交わさなかった。でも、短い言葉の中に、彼女が自分の足で歩き始めたたしかな手応えを感じた。

