
山梨県甲府市の樋口雄一市長は5月18日、「甲府ジュエリー認定制度」の創設に関する記者発表を実施。6月1日から運用を開始し、まずはふるさと納税の返礼品として提供されるジュエリーが対象となります。
甲府市内で一定以上の製造工程を経た製品を「甲府ジュエリー」として認定し、ブランド価値と信頼性の向上、さらには宝飾産業を通じた地域振興につなげる狙いです。
結婚記念日や出産祝い、節目の贈り物として選ばれることも多いジュエリー。今回の制度では、こうした特別なアイテムについて「どこで、どのように作られたか」を、自治体が“お墨付き”として示す仕組みとなります。
樋口市長は会見で、この新制度について、「甲府という地域の魅力を未来へ紡いでいくための大切な礎」と位置づけました。
「甲府ジュエリー認定制度」とは?
今回発表された「甲府ジュエリー認定制度」は、甲府市内で主に製造されたジュエリーを「甲府ジュエリー」として公式に認定し、その品質と付加価値を市が保証するものです。
山梨県は日本有数の宝飾産業の集積地として知られ、国内の宝飾品出荷額の約3割を占めています。その多くが甲府市に集まっており、企画から加工まで一貫して行える、世界的にも珍しい集積産地です。しかしながら、これまで“甲府産”であることを証明する統一された基準は存在しませんでした。
新制度では、ジュエリー製造における「商品企画」「原型製作」「細工加工」「素材成形」「納品前加工」といった主要工程のうち、“過半数以上”が甲府市内で行われていることを認定の条件とします。
審査は、日本で唯一の公益を目的とした宝石・貴金属の総合検査機関であり、専門的な知見を持つ一般社団法人宝石貴金属協会が行い、市と共同で認定。認定された商品には、専用の「甲府ジュエリー認定証」が同梱されます。
樋口市長は、制度創設の意義について、「この制度は単なる認定にとどまらず、甲府の職人の技と情熱、そして甲府という地域の魅力を未来へ紡いでいくための大切な礎。国内だけでなく、世界に誇れるブランドとして甲府ジュエリーが輝き続ける未来を作りたい」と述べました。

(樋口雄一甲府市長)
ふるさと納税で急成長、その理由とは
甲府市はこれまで、「宝石のまち」としての認知を高めるため、さまざまな取り組みを行ってきました。
東京ガールズコレクションへの出展、マイナビとの業務提携による発信、全国の高校生を対象とした「甲府ジュエリー甲子園」の開催など、多角的なプロモーションを継続的に取り組んできたことが、大きな成果となって表れ始めています。
「令和7年度は(寄付額が)初めて100億円を突破することができました。そのうち8割以上がジュエリー関連の返礼品によるもので、リピーター率は4割を超えます。これは、甲府ジュエリーの技術力と品質の高さが、寄付者の皆様からの期待に応えられているからこそだと考えています」(樋口市長)
つまり、“一度選んだ人が、もう一度甲府ジュエリーを選んでいる”——それだけ品質への信頼があることがうかがえます。
今後、甲府市はこの認定制度を通じて、ジュエリーの地域ブランドとしての価値向上とともに、ふるさと納税市場での差別化や地域活性化によるシビックプライド(市民の誇り)の醸成に取り組んでいく考えを示します。
「認定制度でさらに甲府ジュエリーの価値を高め、日本はもとより全世界に発信していきたい。例えば、鯖江ならメガネ、今治ならタオル、倉敷ならデニムがありますが、『甲府はジュエリー』と言っていただけるようになりたいと思っています」(樋口市長)
