繰り返される「親切」の重み
ガチャリ、と共有の玄関ドアを開けると、待ってましたと言わんばかりに1階の居間のドアが開きます。
「おかえり! 結菜ちゃん、今日もお利口さんだったね。はい、これおばあちゃんからのプレゼント」
義母の恵子さんが笑顔で差し出すのは、決まってスナック菓子やジュースでした。これから夕飯の準備をして、しっかりご飯を食べさせたい時間帯です。
「お義母さん、いつもすみません。でも、もうすぐ夕飯なので、お菓子はまた今度にしますね」
私ができるだけ角が立たないように断っても、恵子さんは「これくらい大丈夫よ」「結菜はもっと大きくならないとね」と、私の手をすり抜けるようにして結菜に手渡してしまうのです。結菜も大喜びで受け取ってしまうため、その場で厳しく取り上げることもできず、私のモヤモヤは募る一方でした。
恵子さんに悪気がないことは分かっています。ただ孫が可愛くて、喜ばせたいという純粋な好意なのだと思います。けれど、毎日のように繰り返されるその「親切」は、育児の方針を守りたい私にとっては、どうしても受け入れがたいストレスになっていきました。
小さな一歩と、これからの選択
ある夜、私はついに耐えかねて、夫の拓也に胸の内を打ち明けました。
「もう限界かもしれない。玄関で顔を合わせるたびにお菓子をあげられるのが辛い。悪気がないのは分かるけど、やめてって言ってもやめてくれないの。同居し続けるのがつらいと思うくらいイヤだ…」
私の深刻な表情に、拓也は驚いた様子でした。実の親の行動ということもあり、最初は「悪気はないんだから、大目に見てあげてよ」と言っていましたが、私が涙を流して悩んでいる姿を見て、事の重大さに気づいてくれたようでした。
「そっか、そんなに追い詰められていたんだね。気づけなくてごめん。母さんには、俺から『夕飯前のおやつは結菜の健康のためにも控えてほしい』ってはっきり伝えるよ。二世帯だからって、沙織が我慢し続ける必要はないから」
夫が味方になってくれたことで、頑なになっていた私の心が少しだけ軽くなりました。
世間の「仲良し義実家」の基準に、無理に合わせる必要はないのかもしれません。程よい距離感を保ちながら、自分たちの家族の平穏を守ること。
劇的にすべてが解決するわけではないけれど、まずは夫を交えて話し合い、私たちの意思を伝えていくことから始めようと思っています。いつか、あの共有玄関を心地よい風が吹き抜ける日を信じて。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています
記事作成: kumasan
(配信元: ママリ)

