怒りと寂しさの夜
「もういい加減にしなさい!」
夜遅く、リビングに私の怒号が響き渡りました。何度注意してもスマートフォンの利用ルールを守らず、画面に没頭し続ける中学2年生の息子・蓮(れん)。注意されるたびに反抗的な態度をとる彼に、私の我慢は限界を迎えていました。
気づけば私は、彼のスマートフォンからお気に入りのゲームアプリを消去していました。「ブチギレる」とはまさにこのこと。蓮は信じられないものを見るような目で私を睨みつけ、自室のドアを激しく閉めました。
それから、家の中には冷え切った沈黙が流れていました。翌日になっても、蓮とは一言も口を利いていません。
自分の感情的な行動に、少し言い過ぎた、やり過ぎたかもしれないという後悔がなかったわけではありません。しかし、親としての威厳や、ルールを守らせたいという必死さゆえの行動でもありました。そんな私の心をさらに打ち砕く出来事が起きたのは、その日の夕方のことでした。
画面の向こうの言葉
「ママ、ちょっとこれ……」
浮かない顔で私にスマートフォンを見せてきたのは娘でした。そこには、蓮の友人たちとのグループLINEの画面が映し出されています。このLINEグループは町内の子どもたちが過去に作ったもので、娘もたまたまグループに入っていたのです。
その画面を見せてもらうと、思わずスクロールする手が震えました。
「ゲーム消すとかまじ最悪」「ありえない」
蓮が発信した私への愚痴に、周囲の友だちが同調し、私の悪口大会のようになっていたのです。娘が「ママがかわいそうだからやめなよ」と割って入ってくれた形跡もありましたが、蓮は「別にいいじゃん」と一蹴。
さらに友だちからは「母親とは思えないキレ方(笑)」といった言葉まで並んでいました。
スマホの画面越しに突きつけられた、息子とその仲間たちからの容赦ない言葉の刃。頭が真っ白になると同時に、胸の奥がスーッと冷めていくのを感じました。

