突然の連絡と広がる困惑
待望の第一子となる長女・美結(みゆ)を出産したのは、桜の季節が過ぎた4月のことでした。
初めての育児は想像以上に過酷で、2時間おきの授乳と寝不足の日々。私は実家に里帰りし、実母のサポートを受けながら、なんとか毎日をやり過ごしていました。
そんなある日の昼下がり、仕事中の夫・拓也(たくや)から1通のメッセージが届いたのです。
「今日、うちの親が美結を見に、そっちの実家に行きたいって言ってるんだけど、いいかな?」
メッセージを見た瞬間、私の頭はフリーズしてしまいました。
「えっ今日!? 私の実家に、義両親だけで来るの!?」
里帰りして以来、義両親はまだ一度も美結に会えていません。初孫の顔を見たいという熱意や寂しさは、十分に理解しているつもりでした。
けれど、来週にはお宮参りが控えており、その後はアパートでの新生活に戻る予定です。「あと1週間待てば、ゆっくり会えるのに……」と、私の心にはモヤモヤとした疑問が広がっていきました。
すれ違う「よかれと思って」の距離感
実は、義両親に対して少しだけ苦手意識を抱くようになったきっかけが、これまでにいくつかありました。
義両親は孫が可愛くて仕方がないあまり、毎日のようにテレビ電話をかけてきます。それはありがたいことなのですが、タイミングがいつも絶妙に悪いのです。例えば、やっとの思いで寝かしつけ、私が泥のように眠ろうとした瞬間など…。
画面の向こうの義両親は、眠くてぐずっている美結に向かって「ほらほら、おじいちゃんだよー! 目を開けてー!」と、悪気なく声をかけ続けます。悪意がないのは分かっているからこそ、余計に「少しだけこちらの状況を察してほしい……」と言い出せず、胸に痛みが溜まっていくようでした。
「初めての育児で、今は心も体もいっぱいいっぱいなの。そっとしておいてほしいのが本音だけど、私の考えがおかしいのかな……」
そんな不安を実母にこぼすと、母は優しく私の背中をさすってくれました。
「あなたが神経質になっているわけじゃないわよ。でもね、あちらのご両親もきっと、悪気があるわけじゃなくて、ただただ楽しみで歯止めが効かなくなっちゃっているのね」

