これは立派なハラスメント
すると、即座に返信が。
『えー、残念!次は私が一緒に行こうか?私が先生に「ちゃんと見せてください」って言ってあげる。それか、胎動はどう?もうあるでしょ?月曜日に会社で触らせてね。もし胎動が少ないと感じるなら、私がきちんと確認してあげるからね!』
画面を見る手が震えました。
「おなか触らせて、だって……」
「歩美、もう返信しなくていい。これ、立派なハラスメントだよ」
道義は私の手を握ってくれましたが、月曜日になればまた、あの狭いオフィスで彼女と顔を合わせなければなりません。
月曜日。
「歩美ちゃん、おはよー!さあ、おなか触らせて。ほら、早く!」
出社するなり、後藤さんが私のデスクの横で待ち構えていました。私の意思なんて関係なく、彼女の手が私のおなかに伸びてきます。私は反射的に身を引いてしまいました。
「……すみません、まだ自分でもよく分からないくらい微かなので」
「えー?そんなはずないわよ。隠さないでよ、減るもんじゃないんだから!」
彼女の笑顔が、今までで一番不気味に見えました。
あとがき:「あなたのため」という言葉のナイフ
「あなたのためを思って」という言葉は、時としてどんな罵倒よりも鋭く心を突き刺します。歩美さんの飲み物を捨て、生活のすべてを検閲しようとする後藤さんの姿は、もはやホラー。妊娠中のナイーブな時期に、自分のペースを乱されるストレスは計り知れません。逃げ場のないオフィスという閉鎖空間で、一歩ずつパーソナルスペースを侵食されていく恐怖。夫の道義さんが異変に気づいてくれたことが、唯一の救いです。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています
記事作成: ゆずプー
(配信元: ママリ)

