胃瘻での経管栄養を行う際の注意点

誤嚥や感染を防ぐために注意すべきことはありますか?
誤嚥や感染を防ぐためには、以下の点に注意してケアを行いましょう。
上半身を起こした姿勢の維持
処置前後の手洗いと使用器具の完全な乾燥
口腔ケアの実施
胃瘻周囲の清潔保持
誤嚥を防ぐため、注入中や食後は上体を起こした姿勢を保ちます。またお口から食事をとっていなくても、唾液の減少により口腔内には細菌が繁殖しやすくなります。お口の中を清潔に保つことは、唾液の誤嚥による肺炎を予防するうえでとても重要です。胃瘻の周囲も入浴時などにやさしく洗い、清潔で乾燥した状態を維持しましょう。
トラブルが起きた場合の対応方法を教えてください。
トラブル時には慌てずに、以下のような対応を心がけましょう。
チューブが抜けた場合は自分で無理に押し込もうとしない
チューブが抜けた際は穴が塞がるのを防ぐためすぐ医療機関に連絡する
注入時に嘔吐や強い吐き気があればただちに注入を中止する
チューブが詰まった際は白湯で流し無理な圧力をかけない
チューブが抜けた際、自分で無理に押し込むと、胃壁などを傷つけるおそれがあり危険です。また胃瘻の穴は数時間で塞がってしまうこともあるため、すぐに医師や看護師に連絡します。注入中の吐き気やチューブの詰まりについても、詰まりが取れないからと強い力で押し流すと、チューブの破裂につながることもあります。少しでも異変を感じたら注入や処置を中止し、速やかに医療従事者の指示を仰ぐことが大切です。
家族が介助する際に気をつけることや注意点を教えてください。
家族が介助を行う際は、まず本人の体調や皮膚の状態に毎日気を配ることが大切です。胃瘻の周囲に赤みやただれがないか、栄養剤が漏れていないか確認しましょう。突然触れられることによる本人の驚きや不安を和らげるため、意識の有無に関わらず、食事を始める前に必ず声かけを行います。また日々の介護において、家族だけで責任や悩みを抱え込まないことも大変重要です。毎日の食事介助は休日がなく、長期にわたるため、知らず知らずのうちに疲労が蓄積しがちです。訪問看護やショートステイなどの介護保険サービスを積極的に活用し、介助者の身体的および心理的負担を減らす工夫が求められます。編集部まとめ

胃瘻は長期的な栄養摂取を支え、生活の質を維持するための大切な医療処置です。正しい知識と手順を理解することで、家庭でも安定した介助が可能となります。
トラブルが起きた際は焦らず、医療機関と連携をとることが重要です。そして、日々の介助は家族の負担にもなりうるため、一人で抱え込まず周囲のサポートを頼りましょう。
本記事が胃瘻に対する正しい理解を深め、日々の不安を少しでも軽減できれば幸いです。
参考文献
経管栄養|厚生労働省
PEG 適応と禁忌
胃ろう栄養法

