アウェーの地での孤軍奮闘
「ママ、おしっこ!」「お菓子もっと食べたーい!」
義実家の居間に、4歳と2歳になる子どもたちの賑やかな声が響き渡ります。義理の両親の手前、いつも以上に気を遣いながら、私は休む間もなく動き回っていました。その間、夫の拓也(仮名)は、布団を被ってずっと眠りこけていました。
子どもたちが拓也を起こそうとすると、すかさず義母が「パパは疲れているから、寝かしておいてあげてね」と割って入ります。アウェーの地で、私一人だけが動き続け、取り残されているような強い孤独感が胸を締め付けました。
拓也がようやく目を覚ましたころにはもう日が暮れています。何とか自宅に帰り着いたものの、拓也は自分の分だけお風呂を済ませると、さっさと自室へ引きこもってしまいました。私はこれから在宅ワークもしないといけないのに。
笑顔の裏にある、本当の理由
私が夜遅くまでパソコンに向かうのには、理由があります。拓也から渡される生活費だけでは、決して十分とは言えないからです。
睡眠時間を削って働き、朝は少し起きるのが遅くなることもあります。それでも、子ども2人の支度をして朝ご飯を食べさせ、上の子を幼稚園に送り届けるのは、すべて私の役目でした。
一方の拓也は、平日は仕事の帰りが遅く、飲み会も頻繁にあります。飲み会の翌日や休日は、朝の9時過ぎまで起きてこないことも日常茶飯事。私にはそんな「お休み」の日は一日たりともありません。
義実家に行く日の朝も、拓也が休みで私がカフェで在宅ワークをする予定だったにもかかわらず、前夜の飲み会が祟った拓也は時間になっても起きてきませんでした。やむを得ずメッセージで何度も起こしたのですが、夕方に義実家に到着するなり、拓也は義母に笑いながらこう告げたのです。
「こいつ、朝からライン何回もして起こしてきてさ、眠くてしょうがねえよ」
冗談まじりとはいえ、私がどれだけ頑張っているかもしらない夫が愚痴を言うのはいい気がするものではありません。

