ハイパフォーマーとは、一時的に成果を出した人ではなく、環境や状況が変わっても、一定以上の成果をあげ続けている人。「ハイパフォーマー研究」をライフワークとし、これまで3000人以上のハイパフォーマーにインタビューを重ねてきた、人事・組織コンサルタントの相原孝夫氏が、ハイパフォーマーの悩み方をまとめた、『その悩み、ハイパフォーマーならこうするね』を発売しました。 困難に直面したとき、ハイパフォーマーならではの考え方の軸とは何なのでしょうか? 「やる気」の捉え方をお届けします。

ハイパフォーマーはモチベーションなど眼中にない
ハイパフォーマーの人たちに聞いてみると、モチベーションというものにいかに興味がないのかがよくわかります。
管理職に対するインタビューの中で、「やる気が出ない時、たとえばスランプに陥った時など、どうしますか?」と聞いてみます。すると、ハイパフォーマーではない人たちの多くは、「待ってました」とばかりにその質問に対して熱弁を振るってくれます。やる気のスイッチの入れ方や気分転換法などを雄弁に語るのです。日頃からいろいろと対策を考えているようです。
しかし、ハイパフォーマーの多くはまったく違う反応をします。一瞬きょとんとして、しばし考えて、言葉少なに応じます。予想していないことを聞かれた時の反応です。どのような返答をするかと言えば、「やる気はあったりなかったりすると思いますが、あまり考えていません」とか、「仕事なのでつらいことの方が当然多いですが、やる気のあるなしにかかわらず、やるべきことをやってます」など。
聞く側としては、肩透かしを食らうような返答となります。あからさまに、「いったい何を聞かれているのか?」というような表情をし、困惑する人もいます。要するに、やる気やモチベーションということを問題視していないばかりか、そもそも普段意識下にあることではないのでしょう。
また、より本質を突く回答としては以下のようなものがあります。
「やる気を出してやろうという風に思っているわけではありませんが、仕事をしていく中で面白くなって没頭することは時々あります」と。モチベーションが先ではないのです。モチベーションはプロセスに宿っているということなのです。
モチベーションが先ではない
仕事に限らず、トレーニングでも習い事でも、娯楽以外のあらゆる活動は、必ずしんどさを伴います。だから、動き出す前にあれこれ考えてしまっては、ますます動き出せなくなります。ましてや、誰かにそのようなことを強要されたりすれば、さらに心理的抵抗感は増すばかりです。仕事もそうですが、やりたくてやるというケースは多くなくて当然です。やることが当たり前であって、習慣だからやるということ以上のものではありません。進めていく中で気分が乗ってくることもあれば、そうでないこともある。やる前から、モチベーションを持ち出す必要はないのです。
結局、プロセスを進めていくうちに、モチベーションが上がっていくわけであって、モチベーションが先ではないのです。したがって、それを目的とすることはおかしなことなのです。感情を排除するわけではありません。感情は必ずプロセスを進めていくうちに、楽しいとか苦しいとか、湧き上がってくるものです。プロセスを進める前に、動き出す前に、ネガティブな感情にあえて取り合うべきではないということです。

