膠原病と診断されると、食べてはいけないものはあるのかなど、食事について不安を感じる方は少なくありません。実際には、膠原病だから一律に厳しい食事制限が必要というわけではなく、病気の種類や臓器障害の有無、使用している治療薬によって注意したい点が変わります。また、避けるべきことだけでなく、筋力や骨の健康、貧血予防のために積極的に意識したい栄養素もあります。ここでは、膠原病における食事制限の考え方、治療薬と食事の関係、日常生活で取り入れやすい栄養素や食習慣を解説します。

監修医師:
副島 裕太郎(横浜市立大学医学部血液・免疫・感染症内科)
【資格】
日本内科学会 認定内科医・総合内科専門医・指導医
日本リウマチ学会 リウマチ専門医・指導医・評議員
日本リウマチ学会 登録ソノグラファー
日本リウマチ財団 登録医
日本アレルギー学会 アレルギー専門医(内科)
日本臨床免疫学会 免疫療法認定医
日本化学療法学会 抗菌化学療法認定医
日本エイズ学会 認定医
日本温泉気候物理医学会 温泉療法医・温泉療法専門医
日本骨粗鬆症学会 認定医
日本母性内科学会 母性内科診療プロバイダー
身体障害者福祉法第15条指定医(肢体不自由、ヒト免疫不全ウイルスによる免疫の機能の障害)
インフェクションコントロールドクター
博士(医学)
診療科目
一般内科、リウマチ・膠原病内科、アレルギー科、感染症科
膠原病で食べてはいけないものとは

膠原病と診断されたら食事制限は必要ですか?
これを食べてはいけないという共通の食事制限があるわけではありません。膠原病では、まず栄養バランスのよい食事を基本にしつつ、病気の種類、臓器障害の有無、使っている薬によって注意点を調整していくのが基本です。特に全身性エリテマトーデスや強皮症では、薬物療法だけでなく、食事や運動などを含む生活管理を組み合わせることが推奨されています。例えば、ステロイドを使っている場合は、骨粗鬆症予防のためにカルシウムやビタミンDを意識することが重要です。また、体重増加、血糖上昇、脂質異常、血圧上昇が問題になりやすいため、食べすぎや塩分・脂質の摂りすぎに注意が必要になることがあります。
特定の食べ物で膠原病が悪化することはありますか?
膠原病全体として、特定の食品が必ず悪化を招くとはいえません。ただし、全身性エリテマトーデス(SLE)では、アルファルファを含む食品やサプリメントは避けたほうがよいとされています。アルファルファスプラウトやアルファルファを含むサプリメントは、症状の誘因になる可能性があるためです。また、免疫抑制薬や生物学的製剤を使っている場合は、病気そのものよりも感染予防の観点から食事に注意が必要になることがあります。特に免疫機能が低下している場合は、十分に加熱されていない食品や衛生管理が不十分な食品には注意したいところです。
参照:『Eating Healthy When You Have Lupus』(Lupus Foundation of America)
膠原病の種類によって食事の注意点は変わりますか?
はい、変わります。例えば、強皮症では、逆流症状や消化管の動きの低下がある場合に、少量ずつ回数を分けて食べる、寝る前の食事を避けるといった工夫が役立つことがあります。SLEでは、動脈硬化や骨粗鬆症のリスクを意識した食事が大切ですし、腎障害がある場合は塩分、たんぱく質、カリウムなどの調整が必要になることもあります。つまり、膠原病だからこの食事と一括りにするのではなく、病気の種類、合併症、治療内容に応じて注意点が変わると考えるのがよいでしょう。
膠原病の治療薬と食事の関係

ステロイドを服用中に避けた方がよい食べ物はありますか?
ステロイドを服用しているからといって、すべての方に共通する絶対に食べてはいけない食品があるわけではありません。ただし、食べすぎ、塩分の摂りすぎ、糖分や脂質の摂りすぎは控えましょう。ステロイドでは体重増加や血糖上昇、脂質異常、血圧上昇、骨粗鬆症などが問題になりやすいため、日頃から食事の内容を整えることが大切です。
メトトレキサート服用中に避けるべき食品があれば教えてください
メトトレキサートでは、食べ物そのものよりも、まずアルコールのとり方に注意が必要です。飲酒が一律に禁止になるわけではありませんが、肝機能への負担が問題になりやすいため、飲酒量は主治医と相談しながら考えるのがよいでしょう。また、特別に一律で禁止される食品は多くありませんが、免疫を抑える治療中は感染予防の観点から、十分に加熱されていない食品や衛生管理が不十分な食品は控えた方がよいです。未殺菌乳や一部のソフトチーズなどが気になる場合も、治療内容に応じて確認しておくとよいでしょう。
グレープフルーツやカフェインは摂取しても問題ありませんか?
まずグレープフルーツについては、薬によって扱いが異なります。薬の代謝に影響して血中濃度を上げ、副作用が出やすくなることがあるため、飲んでいる薬ごとに確認することが大切です。すべての膠原病治療薬で一律に避けるわけではありません。カフェインについては、少量のコーヒーやお茶がすぐ問題になるわけではありません。ただし、メトトレキサートではカフェインの摂りすぎが薬の効き方に影響する可能性があるため、コーヒー、紅茶、コーラ、エナジードリンク、チョコレートなどを毎日多くとる方は控え目にした方がよいでしょう。

