ある朝、いつものように通勤電車に乗っていたときのことです。優先席の近くに立っていた私は、目の前の光景に少し胸がざわつきました。スマホを見つめる若者たちと、杖をついた高齢の女性。その間に流れた沈黙が、今でも印象に残っています。
優先席の前に立っていた若者たち
その日、私はいつものように通勤電車に乗り、優先席の近くに立っていました。目の前の席には、若い男女が数人座っています。皆、イヤホンで音楽を聴いているようで、視線はスマホの画面に向けられていました。私も少し離れた場所で、つり革につかまりながら電車に揺られていました。
通勤時間帯の電車では、誰もが疲れていたり、自分の時間に集中していたりするものです。そのため、最初は特に気にすることもなく、いつも通りの朝だと思っていました。
杖をついた女性が乗ってきて…
しばらくして、電車が次の駅に到着し、ドアが開きました。そこへ、杖をついた高齢の女性がゆっくりと乗ってきました。女性は優先席の前で立ち止まり、少し困ったように周囲を見渡していました。しかし、優先席に座っている若者たちは、スマホから目を離さないままです。
気付いていなかったのかもしれません。イヤホンをしていて、周囲の様子が目に入りにくかったのかもしれません。それでも、目の前に困っていそうな人がいるのに、誰も反応しない光景に、私は何とも言えない気持ちになりました。

