31歳の薫は、5歳の娘が通う附属幼稚園で、28歳のママ友・小百合と親しくしていた。しかし小百合は、二人きりの時は優しいのに、人前では薫を「重役出勤」「料理下手」と貶める豹変ぶりを見せ始め、薫は困惑する。
年下の仲良しのママ友だと思っていた
皆さん、こんにちは。私は薫、31歳です。5歳になる娘のひかると、同い年の夫・正光と三人で、穏やかだけど賑やかな毎日を送っています。ひかるが通う幼稚園は、実は大学までエスカレーター式の附属校。これから18年間、同じ顔ぶれで過ごすことになるので、ママ友付き合いには人一倍、気を遣ってきました。
そんな私の周りには、個性的で素敵なママ友がたくさんいます。中でも、りんかちゃんのママ、小百合さんとは娘同士が仲良しということもあり、入園当初から親しくしていました。
彼女は3歳年下の28歳。若々しくて華やかで、二人でランチをしている時は、育児の悩みも笑いに変えてくれる良き相談相手……のはずでした。
私のことをバカにしている…?
異変を感じ始めたのは、今年に入ってからのことです。二人きりの時はあんなに親切なのに、第三者が加わると、彼女の態度が一変するようになったんです。
「あ、薫さん!今日も『重役出勤』お疲れ様です〜!」
ある朝、登園時間が締め切りギリギリになった私を見つけるなり、小百合さんが他のママたちの前で大きな声を上げました。
「えっ……ごめん、今日はちょっとバタバタしちゃって」
「いいのいいの!薫さん、いつもギリギリだもんね。お料理も、きっと凝ったものは作ってなさそうだし、出かけてばっかりだから忙しいんでしょ?羨ましいな、自由で」
周りにいたママたちが、一瞬困ったような顔をして私を見ます。冗談めかした口調でしたが、その目は笑っていません。私は苦笑いするしかありませんでした。

