「最近疲れやすい」「眠りが浅い」「やる気が出ない」――そんな不調に悩む中高年男性は少なくありません。実は、男性にも女性と同様に更年期症状が表れることをご存じでしょうか。静岡県立大学の研究グループは、エノキタケ抽出物を含む食品が、男性更年期症状の改善につながる可能性があると発表しました。研究では、性機能や活力、睡眠などに改善傾向がみられ、男性ホルモンの一種であるテストステロン値の増加傾向も確認されたといいます。この内容について村上先生に伺いました。

監修医師:
村上 知彦(薬院ひ尿器科医院)
長崎大学医学部医学科 卒業 / 九州大学 泌尿器科 臨床助教を経て現在は医療法人 薬院ひ尿器科医院 勤務 / 専門は泌尿器科
研究グループが発表した内容とは?
編集部
静岡県立大学の研究員らが発表した内容を教えてください。
村上先生
静岡県立大学の研究員らは、エノキタケ抽出物を含む食品摂取が男性更年期症状の改善につながる可能性があると報告しました。研究では、更年期症状の指標である「AMS(加齢男性症状質問票)スコア」が27〜49の中高年男性を対象に、エノキタケ抽出物を含む食品、またはプラセボ(有効成分を含まない食品)を12週間摂取してもらい、症状や男性ホルモン値の変化を比較しました。
その結果、エノキタケ抽出物を摂取したグループでは、性機能に関するスコアが有意に改善しました。さらに、活力や睡眠などの項目でも改善傾向がみられ、男性ホルモンの一種であるテストステロン値についても有意差はないものの増加傾向がみられました。
研究グループは、エノキタケ抽出物が加齢による男性の不調を和らげ、QOL(生活の質)の向上に役立つ可能性があるとしています。
テーマになった男性更年期症状とは?
編集部
今回のテーマに関連する男性更年期症状について教えてください。
村上先生
男性更年期症状は、加齢によって男性ホルモン(テストステロン)が減少することで起こる不調です。40代以降の男性にみられ、「なんとなく疲れやすい」「気分が落ち込む」「ほてりや発汗がある」「眠れない」など、身体や心、性機能にさまざまな症状が表れます。特にED(勃起障害)は代表的な男性更年期症状の一つで、動脈硬化や生活習慣病とも深く関係しています。また、男性ホルモンの低下は、肥満や糖尿病、認知機能の低下などとも関連すると考えられています。
「年齢のせい」と我慢せず、気になる症状が続く場合は生活習慣を見直し、健康診断や専門医への相談を心がけましょう。

