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介護の全身清拭|手順やコツ、トラブルの対処法を詳しく解説!

介護の全身清拭|手順やコツ、トラブルの対処法を詳しく解説!

在宅介護では、入浴が難しい方に対して全身清拭を行う場面があります。しかし、「正しい手順がわからない」「身体を冷やさないか心配」など、不安を感じている方もいるのではないでしょうか。

本記事では介護における全身清拭について以下の点を中心に解説します。

全身清拭の目的と期待できる効果

必要なものと具体的な手順や部位別のコツ

起こりやすいトラブルと注意点

介護における全身清拭について理解を深めるためにご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。

高山 哲朗

監修医師:
高山 哲朗(かなまち慈優クリニック)

【経歴】
理事長 高山 哲朗
平成14年慶應義塾大学卒業
慶應義塾大学病院、北里研究所病院、埼玉社会保険病院等を経て、
平成29年 かなまち慈優クリニック院長
【所属協会・資格】
医学博士
日本内科学会総合内科専門医
日本消化器病学会専門医
日本消化器内視鏡学会専門医
日本医師会認定産業医
東海大学医学部客員准教授
予測医学研究所所長

介護における全身清拭の基本と期待できる効果

介護における全身清拭の基本と期待できる効果

全身清拭の目的を教えてください

全身清拭(ぜんしんせいしき)とは、介護や医療の現場において、温かいタオルなどで全身を拭くことで清潔を保つケアのことです。自身で入浴が難しい高齢の方や、体力が低下している方に対して行われます。主な目的は皮脂や汗、角質などの汚れを取り除き、皮膚を清潔に保つことですが、それ以外にも以下のような目的があります。

・皮膚を観察し、褥瘡(じょくそう)などの皮膚の異常を早期に発見する
・傷口を清潔に保ち、感染症を予防する
・血行に働きかけ、褥瘡を予防する
・身体を動かすことで関節の拘縮を防ぐ
・快適感やリラックス効果により、精神面を整える

目的を理解したうえで行うことで、より効果的なケアにつながります。

全身清拭でどのような効果が期待できますか?

全身清拭には、清潔を保つ以外にもさまざまな効果が期待できます。

・感染症や皮膚疾患の予防になる
・血行がよくなり、褥瘡の予防につながる
・腸の蠕動運動(ぜんどううんどう)が活発になり、便通が改善されやすくなる
・全身の皮膚を観察でき、異常を早期発見しやすい
・リラックス効果があるとされ、ストレスの軽減や安眠につながる
・身体の清潔を保つことで、外出や社会参加への意欲が高まりやすくなる
・丁寧なケアを通じて、介護される方との信頼関係を築ける

全身清拭は心身の両面に働きかける大切なケアです。効果を意識しながら行うことで、介護される方の生活の質の向上にもつながります。

全身清拭は毎日必要ですか?

全身清拭は、毎日全身を行う必要はありません。週2〜3回程度が目安とされていますが、季節や体調、皮膚の状態によって頻度を調整することが大切です。夏場は汗をかきやすいため、頻度を増やす対応が必要になることもあります。

一方、陰部や肛門周辺は汚れやすく皮膚トラブルにつながりやすいため、毎日の部分清拭が理想的です。全身を拭くことが難しい日でも、汚れが生じやすい部位を重点的にケアするだけで清潔を保ちやすくなります。負担を軽減するために、市販の拭き取りシートなどのケア用品を活用するのも一つの方法です。

全身清拭の手順とポイント

全身清拭の手順とポイント

全身清拭に必要なものを教えてください

全身清拭は手早く行うことが大切なため、事前に必要なものをすべて揃えてから始めましょう。
主に必要なものは以下のとおりです。

・お湯(50〜55度程度)
・バケツ、洗面器
・バスタオル(2〜3枚)
・清拭用タオル(顔用、身体用、陰部用で使い分け、多めに用意)
・石けんまたは清拭剤、使い捨て手袋、着替え一式、保湿剤

タオルは部位ごとに使い分けることが衛生面の基本です。お湯は冷めやすいため、やかんなどで追加分を用意しておくとよいでしょう。

全身清拭の手順を教えてください

全身清拭は、事前準備を整えてから始めることが大切です。

【事前準備】
室温を23〜25度に調整し、窓やドア、カーテンを閉める
バイタルサインと体調を確認し、トイレを済ませてもらう
必要な物品をすべて揃え、手を温めておく

【清拭の順番】
顔・耳・首 → 手・腕 → 胸部・腹部 → 背部・臀部 → 足 → 陰部・肛門

蒸しタオルで拭いた後はすぐに乾いたタオルで水気を取りましょう。タオルは一度拭いた面を再び使わず、折り返して新しい面で拭くことが衛生上の基本です。すべて拭き終えたら保湿剤を塗布し、着替えと水分補給を済ませて完了です。

部位ごとの清掃のコツはありますか?

部位ごとのポイントを押さえることで、より丁寧な清拭ができます。

①顔・耳・首
目頭から目尻に向けて拭き、左右で拭く面を変えます。首はしわを伸ばしながら横向きに、耳の裏は念入りに拭きましょう。

②腕・手
指先から心臓に向かって拭きます。指の間や肘の内側、脇の下は汚れが溜まりやすいため丁寧に行います。

③胸・腹部
拭いていない部位はバスタオルで覆います。腹部はおへそを中心に”の”の字を描くように拭きましょう。

④背中・腰・臀部
横向きになってもらい、腰から肩に向けて大きな動作で拭きます。臀部は褥瘡予防のため、優しく円を描くようにしましょう。

⑤足・足の指
足先から太ももに向かって拭きます。指の間や膝裏は念入りに、かかとは優しい力加減で行います。

⑤陰部・肛門
専用タオルに替えて行います。可能であれば本人に拭いてもらい、介助が必要な場合は声かけをしながら手際よく進めます。

陰部の清拭はどうすればよいですか?

陰部はデリケートな部位のため、できれば本人に拭いてもらうことが基本です。介助が必要な場合は事前に声かけをし、専用タオルを使用します。一度拭いた面は再使用しないよう注意してください。

【男性の場合】
陰茎→陰嚢→肛門の順に拭きます。しわを伸ばしながら拭き残しがないよう丁寧に行います。

【女性の場合】
恥骨から肛門に向けて一方向に拭きます。大陰唇と小陰唇は汚れが溜まりやすいため丁寧に汚れを拭き取りましょう。粘膜部分には石けんを使用せず、お湯で濡らしたタオルで優しく拭いてください。

男女共通の注意点は、尿道から肛門に向かって拭くことです。逆方向に拭くと膀胱炎や尿道炎などの尿路感染症を引き起こすリスクがあります。汚れが多い場合は陰部用の石けんや洗浄ボトルの使用も検討しましょう。

配信元: Medical DOC

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