夫婦の溝は深まり、透哉は「離婚だ」と暴言を吐く。理沙が夫のスマホを調べると、そこには前妻との執拗なやり取りや、かつての親密な写真が。夫は現実から逃げ、自分を「避難所」にする前妻の幻想に溺れていた。
些細な事で喧嘩をしては「離婚だ」と言われ…
透哉との「再構築」を決意してから数か月。不信感は消えませんが、陽生のためにと私は必死に笑顔を作っていました。しかし、運命は残酷です。 些細なきっかけで、また大きな喧嘩になりました。透哉が陽生の面倒を見ずにゲームばかりしていたことを注意した時です。
「うるさいな! お前といると息が詰まるんだよ。一穂はもっと自由奔放で、一緒にいて楽しかった!」
「……また比べるの? 私は今、あなたの家族として頑張ってるのに!」
「家族? はっ、形だけだろ。離婚だよ、もう離婚だ!」
彼はそう吐き捨てて寝室に閉じこもりました。 数日後、私は彼が寝入った隙に、どうしても抑えきれなかった衝動に従いました。
彼の誕生日の数字を試すと、スマホのロックが解除されたのです。 LINEのトークルーム。そこには、約束を破って隠し通されていた一穂とのやり取りが、これでもかと並んでいました。
前妻とのやり取りに衝撃を受ける
子どもの写真のやり取りまでは、百歩譲って理解できました。しかし、その先にあったのは地獄のような光景でした。一穂から送られてきたのは、二人が結婚していたころの、頬を寄せ合うラブラブな写真。挙句の果てには、キスをしている写真まで。
『このころの透哉くん、かっこよかったな』
一穂のメッセージに、透哉はこう返していました。
『俺も、この時は幸せだったよ。今の嫁は小言ばっかりでさ。また会いたいな』
さらに、一穂が加工したと思われる「大好き」という文字が入った二人の合成写真まで保存されていました。 涙が溢れて止まりませんでした。 今の私との生活を否定し、過去の幻想に浸る夫。 そして、一穂がなぜこのタイミングで連絡してきたのか。

