昔、私が工場で働いていたころのことです。職場の中に、皆からあまり良く思われていない上司がいました。厳しいだけでなく、普段の態度にも引っかかるところがあり、職場の空気を重くする存在だったのです。そんな上司が定年退職を迎えた日、思いがけない出来事が起こりました。
嫌われていた上司の退職日
私が現役のサラリーマンだったころ、工場で働いていたときの話です。その工場には、主婦や独身の女性など、多くの人が働いていました。職場の雰囲気は決して悪くありませんでしたが、ひとりだけ、皆から距離を置かれている上司がいました。
その上司は、周囲から強い反感を持たれていました。仕事に厳しいというだけならまだしも、部下への接し方に思いやりが感じられず、普段から周囲に不満を抱かせていたのだと思います。やがて、その上司が定年を迎え、退職することになりました。
あいさつ後、上司が待っていた場所
退職の日、定時後に職場で上司からあいさつがありました。形式的なあいさつが終わると、皆はその場で散会し、それぞれロッカールームへ向かう流れになりました。
ところが、その上司は職場からロッカールームへ向かう途中で、皆を待っていたのです。おそらく、改めて一人ひとりに別れのあいさつをするつもりだったのでしょう。しかし、それに気付いた女性のひとりが、すぐに周囲へ知らせました。
「上司が途中で待っている」
そのひと言で、職場の人たちの動きが一変しました。

