膵炎の初期症状とおもな症状
猫の膵炎は急性、慢性ともに特異的な症状が見られず、ほかの胃腸疾患との違いがわかりにくいのが特徴です。ここでは、それぞれの症状について解説します。
初期症状
急性膵炎では激しい嘔吐・下痢、突然の食欲不振などが見られますが、慢性膵炎の初期でははっきりとした症状が出ないことがほとんどです。「なんとなく元気がない」「食欲にムラがある」といった小さな変化が慢性膵炎の初期症状としてあらわれます。
これらの変化は加齢や一時的な体調不良と区別しにくく、発見が遅れがちです。「なんとなく」でも症状が続く場合は注意が必要です。
おもな症状
猫の膵炎では、以下の症状が見られることが多いとされています。
食欲不振 元気消失 体重減少 不定期な嘔吐 下痢とくに慢性膵炎の猫では90%以上で食欲低下が認められたとの報告があります。ただし、まったく食べないのではなく「少しだけ食欲が落ちた」「いつもより残す」といった症状です。
重症化した場合や急性膵炎では、黄疸、ぐったりする、脱水、高熱といった症状があらわれます。炎症が全身に及ぶと多臓器障害につながり、命にかかわる可能性もあります。
受診の目安と治療法
膵炎が疑われる場合は早めに動物病院を受診する必要があります。動物病院では、血液検査や超音波検査、CTなどの画像診断、組織生検を組み合わせて総合的に判断します。気になる症状があれば早めに受診することが基本です。
では、猫の膵炎における受診の目安と治療について見ていきましょう。
受診の目安
猫の膵炎では、以下のような症状が受診の目安となります。
食欲不振 元気がないぐったりしている 嘔吐が続く 体重が減っている 黄疸が見られる急性膵炎の場合は短時間で重症化する場合がありますので、異変に気づいたら速やかに受診しましょう。また、週1回程度の嘔吐でも慢性膵炎と診断されたケースもあります。猫の膵炎においては「いつもより静かにしている」「あまり食べていない」「最近よく吐いている」という程度の変化でも注意が必要です。
猫は絶食状態が続くことで肝臓への負担がかかり、致命的な問題につながる危険性があるため、食欲不振が見られたらできるだけ早めに受診をし、絶食状態になることを避けましょう。
おもな治療法
現時点では膵炎を直接治す薬はなく、治療の中心は対症療法です。症状にあわせて輸液の点滴や消炎剤による炎症の抑制、鎮痛剤、吐き気止めなどが使用されます。
急性膵炎では急激な悪化も考えられるため、入院による集中管理が必要になるケースがほとんどです。強制給餌または鼻チューブや食道チューブなどを利用した給餌がおこなわれることがあります。
慢性膵炎では、ほとんどが通院での治療となります。

