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SNSでも不安広がる「ハンタウイルス感染症」は人から人にうつる? 症状・感染経路・予防法を専門医が解説

SNSでも不安広がる「ハンタウイルス感染症」は人から人にうつる? 症状・感染経路・予防法を専門医が解説

何に・どのくらい気を付ける? 日本での感染リスクと日常生活の予防法

何に・どのくらい気を付ける? 日本での感染リスクと日常生活の予防法

編集部

日本国内でハンタウイルスに感染する可能性や、過去の国内事例はあるのでしょうか?

忽那先生

日本でも過去にハンタウイルス感染症が報告されたことはあります。腎症候性出血熱については、1960年代に大阪・梅田駅周辺で流行がありました。また、1970〜80年代には実験用ラットを介した感染事例が複数の研究機関で確認されています。
一方で、感染症法が施行された1999年以降、国内での腎症候性出血熱の感染事例は報告されていません。また、ハンタウイルス肺症候群については、これまで日本国内での感染事例は報告されていません。国内の感染リスクは現時点では高くありませんが、げっ歯類が関係する感染症である以上、ネズミの排泄物には不用意に曝露しないという基本的な対策が重要です。

編集部

日常生活において、例えば古い物置、古民家、市街地などに生息するネズミを含む小動物に注意する必要はあるのでしょうか?

忽那先生

必要以上に怖がる必要はありませんが、ハンタウイルスのほかにも鼠咬症やレプトスピラ症などネズミの排泄物からうつる感染症はあるので、ネズミの排泄物がある環境を掃除する際には注意したほうがよいです。
特に、長期間閉め切っていた物置、納屋、古民家、空き家、倉庫などでは、ネズミの糞や尿でほこりが汚染されている可能性があります。そのような場所をいきなり掃き掃除したり、掃除機をかけたりすると、汚染された粉じんを吸い込むリスクがあります。掃除の前に十分に換気し、糞や尿と思われるものは乾いたまま舞い上げず、消毒薬や洗剤で湿らせてから、手袋を着用して処理するのが望ましいです。また、食品は密閉容器に保管し、建物へのネズミの侵入口をふさぐことも重要です。

編集部

キャンプや登山、ハイキングといったアウトドア活動の際にも、何か意識しておくべきことはありますか?

忽那先生

アウトドア活動では、ネズミなどの小動物が出入りしやすい場所での食品管理と、寝泊まりの環境に注意することが大切です。食べ物やゴミは放置せず密閉容器に入れてください。動物の糞や尿がある場所、巣のようなものがある場所には近づかないほうがよいでしょう。
山小屋やキャンプ場の小屋を利用する場合、長期間使われていなかった空間では、まず換気を行ってから、ほこりを舞い上げないように清掃することが重要です。
海外、特に南米の流行地域でキャンプ、登山、農作業、古い建物の清掃などを行った後に、発熱、筋肉痛、せき、息切れ、腹部症状が出た場合には、「単なる風邪」と決めつけず医療機関を受診し、渡航歴やネズミとの接触可能性を伝えることが大切です。ハンタウイルス感染症は日本で日常的に流行している感染症ではありません。ただし前述のとおり、ほかにもネズミの排泄物から感染する感染症があるため、基本的な対策はしておきましょう。

編集部まとめ

今回はクルーズ船の報道を機に話題となったハンタウイルス感染症の実態を忽那先生に解説してもらいました。感染は主にネズミの排泄物から起こり、重症化すると肺や腎臓に重篤な影響が生じることがあります。日本での感染リスクは低いものの、古民家の掃除やアウトドアでは換気・手袋着用などの対策が必要です。
本稿が読者の皆様にとってハンタウイルス感染症を正しく理解するきっかけとなりましたら幸いです。

配信元: Medical DOC

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