
休館日の法隆寺宝物館で向き合う、1300年の祈り
会場となる法隆寺宝物館は、飛鳥・奈良時代の仏像や工芸品を収蔵する東京国立博物館の施設です。建築家・谷口吉生が「水」をコンセプトに設計した建築としても知られ、静謐な水盤、薄暗い展示空間、整然と並ぶ仏像群が、深い祈りの時間を感じさせます。
『水と祈りの追憶』では、通常の開館日ではなく休館日の法隆寺宝物館に少人数の来場者を迎え、特別な鑑賞体験を実施。サウンドイマーシブ体験を起点に、同館専門職による講座、法隆寺にちなんだ特別な折詰割烹料理、沈香の香りを嗜む香道体験、琵琶の演奏が組み合わされます。
視覚だけでなく、音、香り、味、空間の気配を通して、1300年の時と向き合う構成です。

佐々木蔵之介が演じる“天人”の声が、鑑賞者を飛鳥奈良の世界へ誘う
本体験で語りを担うのは、俳優・佐々木蔵之介。語り手である“天人”として、また、先に宝物館を訪れた一人の旅人として、来場者を1300年前の祈りの世界へと誘います。
ヘッドホンから届く声に耳を澄ませながら館内を歩くと、音が大きくなる場所へ自然と足が向かい、そこで新たな語りと出会う。立ち止まる時間、沈黙する時間さえも、物語の一部となります。
普段なら静かに通り過ぎてしまう菩薩像も、音声によって新たな視点が与えられることで、もう一度立ち止まり、造形や表情、背後にある祈りへと目を向けたくなる存在へと変わります。
