●首相は自らの訴追を拒めるのか
──自らの訴追に同意しながら首相の地位にとどまるという事態は、あまり想定しにくいようにも思います。そうすると、積極説に立てば、結局は首相在任中の絶対的な不訴追を認めることにならないでしょうか。
たしかに、そのような指摘はあります。
ただ、首相があえて起訴に同意し、自らの潔白を裁判で主張するという選択肢も理論上はあり得ます。その可能性が絶対に皆無とまではいえないでしょう。
このように、積極説は、国会答弁だけでなく、公開の法廷において国民・市民に説明責任を尽くし、政治責任を果たす途も残している考え方だといえるでしょう。
【取材協力弁護士】
平 裕介(たいら・ゆうすけ)弁護士
2008年弁護士登録(東京弁護士会)。弁護士としての主な業務は行政訴訟、憲法訴訟。行政法研究者でもあり(帝京大学法学部准教授)、多数の論文等を公表している。審査会の委員や顧問など、自治体の業務も担当する。
事務所名:AND綜合法律事務所
事務所URL:https://and-lawoffice.com/

