『イラストレーター 安西水丸展 ぼくのあそび I DRAW TO PLAY』作品展示風景
絵を描くことは、ずっと「あそび」だった
第一部「ぼくの仕事」展示風景。左に見えるのが愛用のチノパンとワークジャケット
子供のころから絵を描くのが好きで、絵を描くことが「あそび」だったという安西水丸(1942〜2014年)。広告会社や出版社でデザインの仕事に携わりながら、雑誌「ガロ」に掲載した漫画『青の時代』が評価を受けると頭角を現します。
独立した後は、村上春樹をはじめとする本の装丁や、『がたん ごとん がたん ごとん』など絵本の創作、エッセイの執筆などで活動の幅を広げていきました。
その安西の全仕事を、印刷物、原画、版画、関連資料など、約400点以上で紹介。小さなブロックに分けられた展示空間を進んでいくと、カラフルでユーモアに満ちた安西の作品世界に自然と引き込まれていきます。
アトリエの愛蔵品と、作品集『あそび』に見る創作の源泉
第一部「ぼくの仕事」展示風景
第一部「ぼくの仕事」でまず目を引くのが、安西がアトリエに飾っていた数々の小物です。彼は果物や酒瓶、旅先で集めた郷土玩具など、身近なモチーフを題材に描いてきましたが、ここでは作品にたびたび登場するスノードームをはじめ、創作の源泉となった愛蔵品の数々を見ることができます。
第一部「ぼくの仕事」より、左が作品集『あそび』に関する展示風景
また7歳の時に描いた絵に、61歳になった安西が言葉を添えた作品集『あそび』も見逃せません。42歳の時に出演した新聞広告で、自らを「今でも小学生の絵を描いている」と表現した安西は、絵の魅力とは上手さや技巧ではなく、その人にしか表せない個性にあると考えていました。
『あそび』は、まさに安西の創作の原点を物語る一冊です。そこに並ぶ絵には、後年の作風を思わせる面もうかがえますが、半世紀以上の時を隔てた「子どもの絵」と「大人の言葉」が響き合う様子は、全体を通してもとりわけ印象に残る展示のひとつでした。
