『人獣共通感染症』とは?

人獣共通感染症とは、動物と人のあいだでうつる可能性がある感染症のことです。犬を介して人へ感染することがあり、主な経路としては、咬み傷、引っかき傷、尿や便、皮膚や被毛との接触、ノミやダニなどが挙げられます。
日常のふれあいがすぐ危険というわけではありませんが、傷があるときや衛生管理が不十分なときには注意が必要です。大切なのは、過度に怖がることではなく、正しい知識を持って予防することです。
代表的な人獣共通感染症6つ

犬から人にうつる病気といっても、種類や感染経路はさまざまです。ここでは、代表的なものを知っておきましょう。
1.狂犬病
狂犬病は、感染した犬などに咬まれたり、唾液が傷口や粘膜に入ったりすることで感染する致死率の高い病気です。発症すると100%亡くなってしまい、一部の地域を除いて世界中で今も発生が続いています。
日本国内では長く発生していませんが、海外渡航や輸入動物との接触がある場合は特に注意が必要です。
2.レプトスピラ症
レプトスピラ症は、感染した動物の尿で汚れた水や土などを介してうつることがあります。
人では発熱や頭痛、筋肉痛などから始まり、重くなると黄疸や腎臓の障害につながる場合があります。水辺やぬかるみなどに触れる機会があるときは気をつけたい感染症です。
3.皮膚糸状菌症
犬の皮膚や被毛についた真菌、いわゆるカビが人の皮膚にうつり、かゆみや赤みを伴う皮膚炎を起こすことがあります。見た目には小さな円形の発疹のように見えることも。
家庭内で広がることもあるため、犬に脱毛や皮膚トラブルがあるときは早めの対応が大切です。
4.パスツレラ症
パスツレラ菌は犬や猫の口の中にいることがある細菌で、咬み傷や引っかき傷から人の体に入ることがあります。
傷が小さく見えても、赤み、腫れ、痛みが強く出ることがあり、油断できません。とくに手や指を噛まれた場合は、悪化が早いこともあります。
5.回虫症・瓜実条虫症
犬の便やノミの体内にある虫卵が口に入ることで、人に感染することがあります。
特に小さな子どもは、床や地面を触った手をそのまま口に入れてしまうことがあるため注意が必要です。日頃の便の処理や手洗いがとても大切になります。
6.SFTS(重症熱性血小板減少症候群)
SFTSは主にマダニが関わる感染症です。犬がダニを家の中へ持ち込み、人の感染リスクにつながることがあります。
さらに、SFTSに感染した犬や猫との接触によって人へ感染したと考えられる報告もあります。発熱や強いだるさ、消化器症状などが出ることがあり、重症化してしまうと死亡率の高い病気です。

