②東京湾奥エリア
東京湾奥エリアもタックルの基本は茨城と同じだが、こちらは狙う水深が10m前後のことが多く、小型両軸リールを使用する。
道糸はPE3号以上と太めを。
これは狙う場所が根掛かりしやすい根周りメインであるためだ。
これに8〜10号程度のリーダーを1m直結、または接続しておく。
タックルは可能なら2セット持参しておくと、トラブルがあっても対処できる。
オモリは30号が基本(船宿に確認)。
通常は小田原型だが、根掛かり対策で棒状のホゴオモリや丸型オモリを使用するのもアリ。
今シーズンはタコが多く比較的根掛かりは少ないが、オモリの予備は多めに用意しておこう。
餌木は3.5号サイズを1〜2個。
カラーはこれから濁りが入る時期なので、オレンジ、ピンク、レモン、白などのアピール系が活躍する。
カラーだけでなく音の出るラトル入り、フラッシングするタイプなど、アピール系の餌木も実績が高い。
餌木は根掛かりでのロストがあるので多めに用意しておくこと。
ただし、最近の餌木はハリの部分が曲がるようになっており、根掛かりしても引っ張れば外れやすくなったものも多い。
根掛かり対策については後述するが、ロストする前提ではなく、できるだけ回収して環境にも配慮した釣りを心がけたい。
また最近ではタコスッテ1〜2個で楽しむ人も増えている。
スッテは浮力がありアピール力と根掛かりしにくいという利点を持っている。
タコスッテのほか、スミイカ用のスッテ、アカイカ用の布巻きスッテなども流用できる。
タコスッテは上側だけにハリが付いた半笠仕様になっているが、イカ用は全傘の2段仕様になっている。
こちらのほうが根掛かりのリスクはあるが、使用しているハリが細いため強く引いたときにハリが曲がって外れやすくなるという利点もある。

③タコ釣りの必需品
釣ったマダコはネットに入れてオケの中に生かしておく。
一番手っ取り早いのが、百円ショップで購入できるファスナー付きの洗濯ネット。
こちらは価格も安く使い捨てでもいいが、釣れるたびにファスナーを開けてタコをつかんで入れる、というのが意外と面倒。
手には張り付かれるし、なかなかネットに入れられないなんてことも多い。
そこでおすすめなのが専用のネット。
オケにセットしておけば、あとはポトンと落とすだけというスグレモノ。
これなら時合を逃すこともないし、脱走の心配もない。
本格的に餌木タコ釣りをやるなら用意して損はないだろう。
クーラーへ収納時は大型のポリ袋などに入れてしまおう。
こうすればスミでクーラー内部を汚すこともない。

専用ネットが便利
④エサ巻きの考え方
餌木やスッテにブタバラ肉や鶏皮を巻いてもいい。
実際、釣果がいいからとこれをすすめる船宿も多いが、付けるか付けないかは自分の釣り方、ポリシー、好みで使えばいいだろう。
タコは無脊椎動物の中で最も多くの神経細胞を持っていると言われる。
飼育すれば人の見分けはつくし、腐敗したエサを与えて激怒したなんていう研究報告もあるほど。
餌木はエサや添加剤がなければ無味無臭。
それに抱き付いてきても、そのうち「これ食えないじゃん」と気付かれるはずだ。
エサが巻いてあればそれは食べ物だから抱き付きが長くなるというのは自明の理。
ただし、餌木=ルアー釣りで、「いかにエサじゃないもので騙して釣るかが面白いんじゃん」という考えの人はあえて使うこともないだろう。
抱き付き時間が短いなら、小づきや誘いで工夫して乗せようとなるわけ。
どちらが正解というわけでなく、自分のスタイルで楽しもう。

エサ巻きは各自の好き好きで
PART3実釣編 小づきの誘いが最重要 合わせは確信を持って!
①茨城県那珂湊沖
那珂湊沖での船の流し方は、風を横から受けて流す横流しが基本になる。
この流し方はヒラメ釣りも同様に、釣り座に関係なく皆平等にタコとの遭遇チャンスがあるという利点がある。
いずれの向きであっても一番重要なことは小づきだと、不動丸の峯岸船長は話す。
ちなみに、基本の釣り方は東京湾奥も同様だ。
誘いの基本 小づきでタコを誘惑
「小づきは自分で動かしているように思っても意外と動いていません」と船長。
竿を上下に動かしても、糸の張りと緩みを繰り返しているだけでは誘いにならず乗ってこない。
小づきはオモリを動かすようなイメージで底をトントンさせ餌木を踊らせる。
この上下動を竿を持つ手で感じながら小づき、コツコツしていた感触がグニュグニュとしたものに変わったらタコが覆い被さってきている合図だ。
そのまま10秒ほど小づきを続けたら、竿先を下げて合わせしろを確保してグイッと持ち上げるように合わせを入れる。
このときに重みを感じたらそのまま一定のペースで巻き上げる。
小型の場合は海面にタコがきたら一気に抜き上げるが、大型の場合は確実にすくってもらおう。
以上が餌木タコ釣りの基本動作となる。
小づきの姿勢は慣れた人は水平姿勢でもいいが、慣れない人は竿を立てた状態で行うのを船長はすすめている。
その理由は、竿を水平にしたり下に下げると仕掛けが浮き上がりやすくなるためだ。
「竿を立てておき、糸フケを作りながら小づけば仕掛けが浮きません」
小づきはしっかりと仕掛けを上下させる必要があるが、仕掛けが浮いてしまってはタコが乗ってこないし、もし乗ったとしても合わせが入れられない。
峯岸船長は船上で、「タコが乗ったと思っても小づきをやめちゃダメですよ。やめたら見切られて放しちゃいます」と頻繁にアナウンス。
いかにして餌木やスッテを本物のエサに見せるか。
動いているからこそ、タコを騙すことができるのだ。

乗りを感じても小づく手を止めないこと
バラシの理由 必ず合わせを!
しっかり小づいてしっかり抱かせ、しっかりと合わせを入れればバラす確率は低くなる。
バラシが多くなるのは合わせ不足で乗せたとき。
「あれ、いそうだな〜、どうかなあ」と自信がなく、合わせを入れずに聞き上げてみたら重みを感じたのでそのまま巻き上げたらバレた。
これはタコが餌木に抱きついただけの可能性が高く、つまりハリに掛かっていない状態で巻き上げてしまったために外れてしまうというもの。
竿を持ち上げたときに、「あっ、タコがいる」と思ったら、そのままゆっくり下げて仕掛けを着底させて、もう一度小づきを入れてしっかり抱かせてから合わせを入れる。
もし、合わせを入れずに巻き上げて、すぐに外れてしまったら素早く着底させる。
こうすると再び乗ってくることも多い。
「小さいタコが多いので大きな合わせは必要ないですが、合わせは確実にして乗ったのを確認してから巻いてください」

乗りを確信して釣れば楽しさ倍増
横流しの釣り
船の真横(右舷、左舷)から風を受けて流す方法で、自分の正面から風を受けると、糸が前方に出ていく。
逆側は船下に糸が入り込む。
糸が船下に入り込む側が新しい手付かずの場所に先に入っていくことから有利となる。
ただし、マダコ釣りの場合は後から入る側ばかりに乗るということもあり、一概に言えないところが面白い。
船下に道糸が入り込む場合は、風が強かったり潮の流れが速いとかなり釣りづらくなることもある。
船下に入り込んで小づきづらくなるのだ。
かといって糸を出してしまっては仕掛けが斜めになりすぎて乗りを察知できなくなる。
やりにくくなったら一度上げて、軽く前方にキャストしてやり直そう。
また、オモリを重くしてできるだけ真っすぐになるようにしてもいい。
さらに船下に入り込む側で乗せた場合、海面近くなるとタコが船下に張り付いてしまう可能性がある。
このため、船ベリに体を預けて身を大きく乗り出し、竿を前方に突き出すようにしてフィニッシュを。
逆に道糸が前方にいく場合は、仕掛けの投入は船下に落とすだけ。
小づきは船下に入り込むよりはやりやすいが、あまりに前方に出てしまうと乗りが分からなくなる。
こちらもある程度出てしまったら回収、再投入を。

当日の状況 水温上昇でさらに期待
今年の上半期の茨城県は強風に泣かされ、一日おきにしか出船できないということも多かった。
そんな合間の一日となった5月27日に取材にうかがった。
不動丸が出船開始した5月22日はトップ20杯超えを記録。
その後水温が15度台まで下がってやや落ちたもののまずまずの乗りが続く。
当日はダイワフィールドテスターの北本茂照さんも同船。
餌木タコ専用のメタリアエギタコに超小型電動リール、極鋭ライトゲームに小型両軸を組み合わせていた。
餌木はグレートマダクの黒と黄色。最近はこの組み合わせが気に入っていると言う。
鹿島港から那珂湊沖へは航程1時間半ほどかかるので、早めに受付(開始は4時)を済ませておきたい。
釣り場へ到着すると地元の船が5隻ほどすでに開始している。
思っていたよりもかなり岸寄りだ。
水深は20〜25mほどで、これより沖の30mの場所にはタコはあまりいないようだ。
「水温が15度台まで下がっちゃった」と峯岸船長。
開始から5分ほどで左舷で最初の1杯が上がった。続いて右舷胴の間で1kg級とまずまずのサイズ。
「これタコいるよ」と北本さん。
小づきを継続してから合わせを入れて500〜600g級を上げた。
風と潮の具合から横流しでは釣りづらく、スパンカーを立てての釣りとなったが、釣り座に関係なくポツポツの展開。
開始1時間後にはレンタルの初挑戦者もマダコと初対面を果たした。
「乗りはそんなによくないから、乗りの感触を逃すと厳しくなるね」と言う北本さんだったが、それを逃さずにコンスタントに乗せる。
このエリアでは道糸はPE3号を使う人が多いが、北本さんは1.5号。
これも乗りの感触を逃さない理由の一つのようだ。
中盤からは横流しの釣りに変更する。
皆さんが顔を見たところで筆者も参戦。
今回はスミイカ用スッテの2個付けで挑むことに。
フワフワッとスッテを上下させストップ、オモリをトントンストップを繰り返すが、予想に反して根掛かりが多い。
その原因はすぐに見付かった。スッテがイカ用の全笠タイプで、横流しなので引きずるような感じで石コロに引っかかるのだ。
北本さんは全く根掛かりしないと言うので、それで間違いないのだろう。
最初の1杯をバラしたところで意地でもこの仕掛けで釣るとなり、1時間後にようやく顔を見ることに。
その間に多い人は5杯以上釣っていた。
その後はグレートマダクとタコスッテの組み合わせにチェンジ。
こちらは引っかかることさえなく、実にストレスフリー。
この組み合わせで3杯追加することができた。
こうして、ラストまでポツポツ乗り続きトップは10杯、北本さんは9杯とまずまず楽しめる日となった。
「これから水温が17度くらいまで上がると活性も上がります」と峯岸船長。
今年も年末まで楽しみだ。

ダイワフィールドテスターの北本茂照さんは一日中同じカラーの餌木で通して9杯ゲット
②東京湾奥エリア 左右で変わる釣り方
東京湾奥では障害物周り、沖の根周りなどガリガリの根の周辺での釣りがメインとなる。
今年はタコが多く比較的根掛かりが少ないとは言われているが、やはり根掛かり対策が釣果に直結する。
釣り方の基本は根掛かりを防ぐために真下か軽く前方に投下する。
猛者になると「根掛かり上等!」とキャストして広く探る人もいるが、こういった場合は餌木を1個付け、スッテを1個付けなど根掛かりしにくい仕掛けを使うといい。
釣り方の基本は前項で解説した小づきの釣りだが、常に根掛かりに注意しながら行う。

タコスッテに乗ってきた
根掛かり回避策 着底したままにしない
オモリが着底したとき、糸がフケたままにすると根の中にオモリが入り込んで根掛かりすることが多い。
これを回避するためには、着底と同時にサミングして糸の出を止めて、一度持ち上げてからそっと落としていく。
小づきの基本はオモリを海底に着けたまま行うが、たまにオモリを完全に底から切って再度着底させてやる。
着けっぱなしにすると、船が動くと糸は斜めになり、より根掛かりしやすくなってしまう。
ガリッと入りそうになったらスーッと持ち上げてやると根掛かり前に離すことができる。
あまりにガリガリする場合は、オモリを持ち上げてトントンする小づきも試してみよう。
これだと確実に仕掛けを動かせ、さらに底を確認しながら小づくことができる。
いずれの場合もちょっとやりにくいな、糸の向きが斜めになっちゃったな、と思ったら回収して入れ直そう。
どうしても根がキツい場所では根と乗りを勘違いしがちだが、おかしいと思って自信がなければそっと竿を持ち上げてみる。全く動かなければ根だし、生体反応があればタコの可能性が高い。
タコだと思ったら一度下ろしてから合わせを入れる。
もし、それでも迷うようだったら合わせを入れてみる。
それでガッツリと根掛かりしてしまうことがあるかもしれないが、みすみすタコを逃すよりはマシと考えよう。
根掛かりの対処 いきなり引っ張らない
根掛かりした!と思ったらいきなり引っ張らないこと。
簡単に外れる可能性があったのにガッツリとハマりこんでしまうからだ。
根掛かりしたと思ったら、まず、リールのクラッチを切りテンションを抜いてみる。
それからシュッと引っ張ると簡単に外せることがある。
1回でダメなら張る、緩めるを繰り返してみる。
さらに上下の2方向だけでなく、前後、左右、斜めと方向を変えてやることでスポッと抜けることがあるので試してみよう。
それでも外れないとき、糸の方向が真下や前方だったらドラグを締めて竿と糸の向きを真っすぐにして竿を持ち上げて引っ張って外す。
もし、糸が船下に入っている場合はこの方法だと竿を折ってしまう可能性がある。
道糸を根切り棒に巻いて引っ張って切る。
このとき、道糸は絶対に手に巻き付けないこと。
自分で対処できないときは仲乗りさんがいれば頼んでみよう。
また、根掛かりが外れたけどなんだか重たい、ということもある。
タコが乗ってから海底にへばり着いたり巣穴に潜っていたという場合だ。
重かったら道糸を緩めないように巻いてこよう。

当たり年は確定 !? 予想どおりの滑り出し
今年の東京湾奥は6月1日に開幕。
日曜日ということもあって、各船とも満員御礼の大賑わいでまさにお祭りの様相だ。
「どこにでもタコがいました。私でも20杯釣れました」とは初日に東京湾奥千住大橋の入舟から乗船した、本誌の高橋恵子女史。
東京湾奥中の数多くの船が出船しているにもかかわらず、周辺には他船がおらず1隻で狙うというシーンも多かったようで、つまりどこにでもタコがいるという証拠だ。
後半は羽田沖周辺に船が集まったようだが、いずれの船も大成果を上げた。
以後、多少の上下はあるものの連日のようにトップは規定の20杯に達する乗りっぷりを見せている。
さらに、サイズも大中小交じりという理想的な展開。
そして前述したが、乗りがいいことで餌木のロストが少ないということがダブルでメリットとなっている。
実釣にいった人に聞けば、「1組だけ」とか「全くロストなし」という人もいて、とにかくいいことずくめだ。
史上最高の年となるのか。
目下の状況なら歴史的な年と刻まれるかもしれない。
それもあって、未経験の人も今年は始めるのに最高だ。

根掛かりの心配が少ないからお気に入りの餌木を使える

船宿information
茨城県鹿島港 不動丸
0299・95・6725
▼備考=予約乗合、ほかマダイ、フグ、ルアーへも
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