介護で食事を食べない時は要注意?原因や受診目安、食べやすくする工夫を解説

介護で食事を食べない時は要注意?原因や受診目安、食べやすくする工夫を解説

介護をしているなかで高齢の方が食事を食べなくなると、「どこか具合が悪いのでは?」「このまま様子を見ていて大丈夫なのだろうか」と不安を感じる方も少なくありません。食欲低下の背景には、加齢による変化だけでなく、体調不良や口腔トラブル、認知症、服薬の影響など、さまざまな原因が隠れていることがあります。

本記事では介護で食事を食べない時の原因や対処法について以下の点を中心に紹介します。

介護で食事を食べない時に考えられる原因

食事を食べない状態が続くと起こるリスク

介護で食事を食べない時の対処法

介護で食事を食べない時の原因や対処法について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。ぜひ最後までお読みください。

高山 哲朗

監修医師:
高山 哲朗(かなまち慈優クリニック)

【経歴】
理事長 高山 哲朗
平成14年慶應義塾大学卒業
慶應義塾大学病院、北里研究所病院、埼玉社会保険病院等を経て、
平成29年 かなまち慈優クリニック院長
【所属協会・資格】
医学博士
日本内科学会総合内科専門医
日本消化器病学会専門医
日本消化器内視鏡学会専門医
日本医師会認定産業医
東海大学医学部客員准教授
予測医学研究所所長

介護で食事を食べない時に考えられる原因とリスク

介護で食事を食べない時に考えられる原因とリスク

高齢になると食欲が低下することはありますか?

高齢になると、食欲が低下することがあります。加齢に伴って消化機能や基礎代謝、活動量が低下し、若い頃より空腹を感じにくくなるからです。また、噛む力や飲み込む力が弱くなると、食べにくさを感じたり、むせることへの不安が強まったりして、食事そのものが負担になってしまうこともあります。

さらに、味覚や嗅覚の変化によって食事のおいしさを感じにくくなったり、口腔内の不調によって食べたい気持ちがわきにくくなったりすることもあります。認知機能が低下している場合は、食事だと認識しにくい、食事の時間を忘れてしまう、食事に集中しづらいといったことが重なり、食欲低下につながる可能性もあります。

ストレスや環境の変化が原因で食事しなくなることはありますか?

ストレスや環境の変化がきっかけで、高齢の方が食事をしなくなることはあります。強い不安や緊張が続くと自律神経のバランスが乱れ、胃腸の働きが落ちて、食欲が低下しやすくなるためです。胃もたれや胸やけのような症状が出ると、さらに食事が進みにくくなることもあります。

また、配偶者や親しい方を亡くしたことによる喪失感、一人で食事をする寂しさ、同居や介護サービスの利用による生活環境の変化なども、食欲に影響することがあります。周囲に気を遣って食事の好みや食べにくさを伝えられず、食事の時間そのものが負担になることもあります。

嚥下機能や口腔トラブルは食欲に影響しますか?

嚥下機能や口腔トラブルは、食欲に影響します。高齢になると、歯や歯茎の状態の変化に加えて、舌や口まわりの筋力、唾液の分泌、噛む力、飲み込む力が少しずつ低下し、食べ物を口から喉へうまく送りにくくなることがあります。その結果、食べにくい、むせやすい、飲み込みにくいといった負担が増え、食事そのものを避けるようになる場合があります。

また、誤嚥しやすくなると、食事への不安から食欲が落ちることもあります。さらに、むし歯や歯周病、入れ歯の不具合、お口の乾燥などの口腔トラブルがあると、痛みや違和感のために食事が進みにくくなります。

病気が原因で食事を食べなくなることはありますか?

病気が原因で食事を食べなくなることはあります。高齢の方は、胃や腸、肝臓、膵臓など消化吸収に関わる臓器の病気があると、食べたものをうまく処理しにくくなり、食欲が低下する場合があります。腹痛などのわかりやすい症状がなく、食欲の低下や体重減少から気づくこともあるため注意が必要です。

また、認知症によって食べ物を食べ物として認識しにくくなったり、食事への意識が向きにくくなったりして、食事量が減ることもあります。さらに、強い不安や喪失感、環境の変化による心身の負担が食欲に影響する場合もあります。

食事を食べない状態が続くと起こるリスク

食事を食べない状態が続くと起こるリスク

食べない状態が続くとどのような影響がありますか?

食べない状態が続くと、まず心配されるのが低栄養です。必要なエネルギーやたんぱく質が不足すると、筋肉量や骨量が減り、ふらつきや転倒、骨折のリスクにつながる可能性があります。高齢の方は、こうした変化がきっかけで歩行や立ち上がりが難しくなり、自立した生活に影響することがあります。

また、低栄養が進むと免疫力が低下し、感染症にかかりやすくなるほか、傷や褥瘡(じょくそう)ができやすく、治りにくくなることもあります。さらに、食事量の低下は脱水や低血糖にもつながりやすく、めまいや眠気、意識障害などを招く場合もあるため注意が必要です。

食事を食べない状態が続くと体力や生活機能にどのような影響がありますか?

食事を食べない状態が続くと、筋力や活動量が落ち、それによってさらに食欲が低下する悪循環に陥りやすくなります。動く機会が減ると、歩く、立ち上がる、身の回りのことをするといった日常生活の動作も少しずつ負担になり、体力の低下が進みやすくなります。

こうした状態が続くと、心身の機能が弱っていく“フレイル”につながり、要介護状態に近づく可能性もあります。少ししか食べられない状態が続いているときは、年齢のせいと考えて様子を見るのではなく、食べにくさや体調不良が隠れていないかを確認し、必要に応じて受診や食事の内容の見直しが必要です。

配信元: Medical DOC

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