切り札を見せる
私はスマホの画面を彼に見せた。そこには、彼が私におくってきたメッセージや、彼のプロフィールのスクリーンショットが完璧に保存されていた。
「これは、私が持っておきますね。優菜を守るための"切り札"として。あなたが本当に良い夫として、良い父親として生き直すなら…この写真は一生、日の目を見ることはありません」
博嗣さんはふかく首をうなだれ、その場でアプリをアンインストールした。
「本当に申し訳ない…」
「私にあやまらないで。あやまる相手は、家であなたを信じて待っている優菜でしょ。でも、今のあなたに謝罪する資格なんてない。一生をかけて、行動で示してください」
私はのみかけのコーヒーをおいて、席を立った。
背後で博嗣さんが打ちひしがれているのを感じながら、私は店を出て、大きく息を吸いこんだ。
あとがき:切り札という名の呪い
ついに訪れた直接対決!紀子の容赦ない追及と、博嗣の狼狽ぶりには、どこかスカッとするようなカタルシスを感じていただけたはずです。しかし、紀子が選んだのは「破滅」ではなく「更生」という道でした。
これは単なるゆるしではなく、親友のしあわせを盾にした、生涯の監視宣言。優菜を守るため、あえて悪女のような冷徹さを見せた紀子…。親友への情のふかさがうかがえますね。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています
記事作成: ゆずプー
(配信元: ママリ)

