相手の男性にも不信感が募る
「マサさんは、奈々が独身の時、告白してくれたの?」
「…ううん。当時はおたがい若かったし、店員と客だったからって。でも、今のタイミングだからこそ、運命を感じるんだって彼は言ってる」
(今のタイミング…)
それは、奈々が結婚して、生活が安定し、でもすこしだけ刺激を求めている…そんなスキだらけの「今」のこと。 マサという男の言葉には、おもみがまったく感じられなかった。
「子どもも一緒に」なんて、血のつながらない子を育てる苦労を知らない独身男の、安っぽい口説き文句にしか聞こえない。
「静香…どうしたらいいと思う? 彼を信じてもいいのかな」
うるんだひとみで私を見つめる奈々。彼女は、肯定してほしかったのかもしれない。でも、親友として、私は彼女ののぞむ言葉をかけることはできなかった。
あとがき:沼に沈んでいく親友
スマホの通知一つで天国にも地獄にも行く。かつて自立していたはずの奈々が、依存の沼に沈んでいく姿に、胸が締め付けられます。
マサが放つ「迎えに行く」という言葉。一見情熱的ですが、具体的な覚悟がないからこそ言える、無責任なセリフです。現実の生活は、泥臭い家事や育児の積み重ね。それを見ようとせず、キラキラした理想だけを語る男に、奈々は自分の「人生のハンドル」をわたそうとしています。友情と警鐘の狭間でゆれる静香の苦悩が伝わります。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています
記事作成: ゆずプー
(配信元: ママリ)

