女優の見上愛が一ノ瀬りん、上坂樹里が大家直美という2人のヒロインを演じるNHK連続テレビ小説「風、薫る」(総合など)の第54回が11日に放送される。
朝ドラ「風、薫る」第54回(6月11日放送予定)見所
りんと直美の献身的な看護で、女郎の魚住セツ(村上穂乃佳)の体調が回復していく。ある日、再び女郎屋の主人・権田巳三郎(梅垣義明)が病室へやってくるが、その様子はどこか変わっていて…。
一方、帝都医科大付属病院の院長・多田重太郎(筒井道隆)は「ある計画」を進めていた。
朝ドラ「風、薫る」第11週「凪にそよぐ」(第51~55回)ストーリー展開【ネタバレ】
直美の看病を受けた夕凪は、自分の名が「魚住セツ」だと告白し、少しずつ心を開き始める。セツを救いたいりんは廃娼運動の記事を掲載した新聞社を訪れ、そこで自力で遊郭を出られた女郎はほとんどいないという厳しい現実を知らされる。
そんななか、セツの心中事件を題材にした記事が新聞に掲載される。名前は変えられていたが、関係者には本人と分かる内容で、りんはセツがさらに追い詰められるのではないかと危惧した。記事を書いたのは、りんに思いを寄せる「シマケン」こと島田健次郎(Aぇ! group・佐野晶哉)。シマケンは「文字の力」で世論を動かそうと考えていたが、りんは、セツがもっとひどい目に遭うかもしれないと強く反発。シマケンは何も言い返せず立ち尽くした。しかし世間はセツに同情的になり、病室に見舞いの品が届くようになる。権田がセツを連れ戻そうと病院へ乗り込むが、見習実習をする同期たちの協力で権田を追い返すことに成功。内科助教授の坂田幸作(金井勇太)も世論の変化を受け、セツへの手厚い治療を認める。
それでも退院後には再び遊郭へ戻るしかない現実があり、直美は自分たちの看護に意味があるのか悩む。りんは、自分たちの仕事はセツを回復させることと直美に言い聞かせた。
やがてセツは直美を気遣う言葉を口にするようになり、2人で身の上話を交わした。直美は、自分を捨てた母も「夕凪」という女郎だったことを明かし、社会の理不尽さへの思いを吐露。するとセツは、多くの女郎は子供を産まないものだと静かに語った。
その頃、シマケンは、新聞社の編集長・綿貫正平(小松和重)から「続編」の執筆を迫られていた。社会に遊郭の歪さを訴えるべきだと発破をかけられたシマケンは、葛藤しながらも再び原稿用紙に向き合っていた。
新聞にセツをモデルにした「夕顔」の「続報」が掲載された。政府が名ばかりの「娼妓解放令」を出したため、女郎たちは、自分の意思で女郎を続けていると遊郭側が主張するようになり余計に苦しい立場に追いやられているという内容で、記事はシマケンが書いた。友人の槇村太一(林裕太)に「女郎が売られた訳なら大抵は泣ける。夕顔は4人兄弟の長女にしてみた。ありもしない家族の話だ」と言い、自分が創作した話に複雑な思いをにじませるシマケン。太一は情に訴えた記事でよく書けているとフォローするが、シマケンは「その女郎は、りんさんが看ている女郎とは別の人間」と吐露した。太一は腹がくくれないシマケンに、物書きなら自分が書いたものは自分で引き受けるしかないと活を入れた。
直美は、セツの頼みで記事を読み聞かせた。そんななか、突然、シマケンがりんを訪ね、セツのことを聞いた。りんは同情が増えてセツの待遇は少しだけよくなったと伝えた。シマケンは、セツに会わせてほしいと頼み、病室で初対面。記事を書いたことを謝り「会いもしないで書き連ねて…僕のしたことは誠実ではありませんでした。あなたに対しても、物を書くということに対しても…」と詫びた。セツはまったく気にしておらず「おたくが謝ってくれたところであたしは何も変わらない。このひどい世界は続いてく。でも、あの記事の中だけでも、一緒に死のうと思えるくらい好いた男と出会えたなら、少しは救われるってもんさ」と言った。シマケンはその言葉が余計辛かったようで、「失礼しました」と言って深く頭を下げた。
その後、夕凪はだいぶ回復し、直美に「一生分大事にしてもらった」と感謝した。直美は「大事にしたんじゃありません。これが看護なんです。私の仕事です。金持ちも貧乏も、男も女も病気やケガをしたら、当たり前に受けられる看護じゃなきゃおかしいと思います」と言った。するとセツは、かつて妊娠したことがあったが怖くて産めなかったと切り出し、涙を堪えながら、直美に「よっぽど、あんたに会いたかったんだね、おっかさん」と優しく語り掛けた。直美はセツの笑顔から目をそらした。
直美とセツが病室に戻ると、ベッドに権田が座っていた。権田は腕に包帯を巻き肩から吊っていて、2人をにらんだ。

