長年、車選びで重視していたのは、運転のしやすさや燃費の良さでした。自分が扱いやすければ十分だと思っていたのですが、数年前に孫が生まれたことで、その考え方が少しずつ変わっていきました。きっかけは、孫を車に乗せて近所へ出かけたときの、何げない出来事でした。
孫を乗せるだけでひと苦労
それまで私は、車は自分が運転しやすければ問題ないと思っていました。長年運転してきたこともあり、狭い道や駐車もそれほど苦に感じていませんでした。ところが、孫をチャイルドシートに乗せるようになってから、これまで気にしていなかった点が急に目につくようになったのです。
ある日、娘に頼まれて孫を近くの公園まで連れて行くことになりました。距離にすればほんの十数分です。いつもなら何も考えずに出発できる道のりでしたが、チャイルドシートに孫を乗せようとした瞬間、思った以上に手間取ってしまいました。
後部座席のドアを開けても、体をかがめないと手が届きにくく、孫の足をぶつけないように気を付けながら座らせるのに時間がかかりました。シートベルトを確認するにも姿勢がつらく、「これを毎回するのは思ったより大変だ」と感じました。
駐車場で感じた不安
公園に着いた後も、気になることがありました。駐車場で隣に車が止まっていると、ドアを大きく開けられません。孫を抱き上げようとしても十分なスペースがなく、無理な姿勢になってしまいました。そのとき、私はふと「もし雨の日だったらどうするのだろう」と思いました。傘を差しながら荷物を持ち、さらに孫を安全に乗せ下ろしするとなれば、今の車ではかなり大変です。
これまでの私は、車を選ぶときに後部座席の広さやドアの開き方をあまり気にしていませんでした。自分ひとり、あるいは妻と乗るだけなら、それで困ることはなかったからです。しかし、小さな孫を乗せるとなると話は別でした。自分の運転技術だけではなく、車そのものが家族を安全に支えられる造りになっているかどうかが大切なのだと、そのとき初めて実感しました。

