実は自然保護の名脇役。植物を食べて生態系を守る存在だった
チェビオットヤギが注目されている理由は、希少な血統だけではありません。このヤギたちは現在、自然保護区で行われる保全放牧にも活用されています。2025年11月には雌15頭と雄2頭の計17頭が新たな保全プロジェクトに加わり、その後には子ヤギも誕生しました。
チェビオットヤギは小柄ながら、からだが非常に丈夫で、屋外生活に適応した在来種です。特にハリエニシダや若いカバノキなど、牛や羊では管理しにくい植物を積極的に食べることで知られています。
こうした採食行動によって特定の植物が一帯を覆うのを防ぎ、多様な植物が育つ環境を維持。その結果、昆虫や鳥類をはじめとする多くの野生生物が恩恵を受け、生物多様性の向上につながるのです。
自然保護団体によると、人の手だけで同じ植生管理を行おうとすると多大な時間と費用がかかるとのこと。しかし、ヤギは自然に暮らしながら土地管理にも貢献できるため、非常に頼もしい存在だといいます。
チェビオットヤギは、英国環境・食糧・農村地域省(Defra)の絶滅危惧在来種リストにも掲載されており、希少品種保護トラスト(RBST)も保全の重要性を訴えています。
新石器時代の農耕民が英国に持ち込んだヤギの血統を、現代まで受け継いでいる可能性が浮上したチェビオットヤギ。長年ただの野生化したヤギと思われていた群れが、実は希少な遺伝集団だったという発見は、研究者たちにとっても大きな驚きとなりました。
参照
Newcastle University「Rare wild goats in Northumberland found to be genetically unique」
EurekAlert!「Rare wild goats in Northumberland, UK found to be genetically unique」
The Wildlife Trust for Lancashire Manchester & North Merseyside「Rare breed goats creating healthy habitats」

