静香は奈々を呼び出し、マサの本性を容赦なく突きつける。マサの言葉は「愛」ではなく、自分のプライドを満たそうとするための「征服欲に過ぎない」と断じる静香。静香の言葉に奈々は…。
不倫相手の本性を突きつける
ついに、私は奈々をカフェに呼び出した。彼女はあいかわらず、スマホ画面をチラチラと気にしながら、上の空で座っている。
「奈々…マサさんのことだけど。はっきり言わせてもらうね」
私のひくい声に、奈々が顔を上げた。
「な、なに? 改まって……」
「その男、絶対にあなたをしあわせにする気なんてないよ」
奈々の顔が、みるみるうちにこわばっていった。
「ただの…"人の物を奪いたいだけのプライド男"だよ」
「ひどいよ…静香。マサさんの何を知ってるの? 彼は私をいちばんに考えてくれて……」
思いは届くのか
「いちばんに考えてるなら、既婚者のあなたに"子どもも一緒に養う"なんて無責任なこと言わない」
私は一気に畳みかけた。
「シンママならまだしも…今ある家庭をこわしてまで手に入れようとするのは、愛じゃなくて征服欲じゃないの?実際…子どものことだって、一度でも会おうとしたの?口だけで、真剣に考えているようには見えないよ」
奈々は「子ども」というワードにビクッと肩をふるわせた。
「…考えてみてよ。奈々が独身で、お店に通ってた時、彼は告白した? しなかったよね。あなたが他の男と結婚して、しあわせそうにしてるのを見て、急に惜しくなっただけ…。略奪して、あなたがフリーになったら、彼は途端に興味をうしなうよ。略奪という"ゲーム"がおわるんだから」
「そんなことない…だって、彼は責任を取るって……」
「責任? どうやって? 離婚裁判になったら、彼が慰謝料を払ってくれるの? …親権争いで奈々がボロボロになっても、彼はお店の独立でいそがしくて、それどころじゃない…」

