『オートクチュール』(2022年)ファッションを知らなかった少女は、1着のドレスからエレガントを学んでいく
参照:『オートクチュール』(2022年)
「クリスチャン・ディオール」は、オートクチュール(高級注文服)から香水まで幅広く手掛ける、フランスのファッションブランドです。映画『オートクチュール』では、そのアトリエを舞台に、人生の迷子たちがファッションを通じて心を通わせていきます。
ディオールのオートクチュール部門でアトリエ責任者を務めるエステルと、スリとしてその日暮らしを送る移民の少女ジャド。最悪の出会いから始まった関係ですが、エステルがジャドの器用さに才能を見出し、見習いとしてスカウトしたことで運命が大きく動き出します。
育った環境も世代も価値観も異なるせいで、2人は衝突が絶えません。しかし、ジャドが驚くべきスピードで成長していく姿は、周囲の偏見をも覆していきます。
Christian Dior (モスクワ展覧会, 2011), Public domain, via Wikimedia Commons.
劇中では、ディオールの魂ともいうべき「バー」ジャケットや、オートクチュールの制作工程が美しく描かれました。美の裏側にある孤独、ヤングケアラーとして限界を迎えていた苦悩など、それぞれが抱える傷に寄り添いながら、彼女たちは1着のドレスに向き合っていきます。
『オートクチュール』において大喧嘩のきっかけになるなど、ディオールの香水は重要なアイテムとして登場します。ブランドの香りの世界を深めたいときは、新調香師のフランシス・クルジャンが「ジャドール(j'adore)」を再発明する1年間に密着したドキュメンタリー『Inside the dream Dior』も必見です。
映画でファッションとアートの混ざり合いを感じよう
世界的なメゾンを題材にした映画からは、衣服という枠を超え、ブランドやデザイナーの哲学、チームとしてのこだわりが感じられます。時に孤独と戦い、時にビジネスの壁にぶつかりながらも、彼らはクリエイティビティを信じ、時代を切り開いていきました。スクリーンを通じて、モードの美学とその裏にある人間ドラマをぜひ堪能してくださいね。
