これは筆者が保育士として働く中で、考えさせられた出来事です。「本人のペースに合わせています」と、毎朝ゆっくり登園してくる親子。その方針に理解を示しながらも、園でその子の姿を見ているうちに、私はあることが気になり始めて……。
「子どものペースに合わせています」そう話すお母さん
クラスに、毎日活動が始まってから30分ほど遅れて登園してくる子がいました。
お母さんは、「本人のペースに合わせています」と話しており、無理に急がせるつもりはないようでした。
子どもの気持ちを尊重したい、焦らせたくない、
その思い自体は、子どもを心から愛しているからこその、とても尊くて大切な方針だと私も深く共感していました。
運動遊びに参加できず、立ち尽くす姿
ただ、園では朝の時間に体操や運動遊びを行っていました。その子は毎日遅れてくるため、その活動には途中からの参加になります。
みんながすでに動いている輪の中へ、途中から入ることは大人でも少し勇気がいるものです。その子は最初のうち、少し戸惑ったようにみんなの様子をじっと見つめ、立ち尽くしてしまうことがありました。毎日少しずつ積み重なっていく活動だからこそ、本人も周囲との感覚の差を感じやすくなっているように見えました。
その姿を見るたびに、私は複雑な気持ちになっていました。

