「血圧が高いと言われたけど、毎月の治療費はどれくらいかかるの?」「薬を飲み続けると費用がかさんで家計が心配」といった不安を感じている方は少なくないのではないでしょうか。高血圧(本態性高血圧)は、生活習慣の見直しと薬による治療が長期にわたることが多いため、月々どれくらいの費用がかかるのかを早めに知っておくことは、治療を続けていくうえでも、家計管理のうえでもとても重要です。この記事では、通院費・薬代の目安から費用を抑える方法、知っておきたい公的制度まで詳しく解説します。

監修医師:
佐々木 健也(医師)
高知医科大学医学部(現・高知大学医学部)卒業。消化器内科医として10年以上にわたり、大学病院や基幹病院で肝胆膵領域の専門診療に従事。ウイルス性肝炎、MASH(代謝機能障害関連脂肪性肝疾患)、肝細胞がんを中心に、最新のガイドラインに基づく標準治療から地域医療における患者マネジメント、病診連携まで幅広く携わる。アルコール依存症診療にも豊富な経験を有し、精神科領域への出向経験を生かして、物質依存症や行動依存症に対する医学的助言も行う。近年は父親としての育児経験を契機に、小児の成長・発達、児童心理、発達障害、児童精神医学にも関心を広げ、看護師や公認心理師など多職種と連携した研究プロジェクトの準備を進めている。日本内科学会認定内科医、日本消化器病学会消化器病専門医、日本消化器内視鏡学会専門医。
高血圧の通院でかかる費用の目安
高血圧と診断されたら、内科やかかりつけクリニックへ定期的に通院することになります。初診時には問診・診察のほか、血液検査(肝機能・腎機能・コレステロール・血糖など)、尿検査、心電図検査などを行うことが多く、費用がやや高くなりがちです。
3割負担の場合の初診時費用は3,000〜5,000円程度(診察料+各種検査料)が目安です。安定期に入った再診では、診察料と血圧測定のみであれば1,000〜2,000円程度で済むことが多く、処方箋を受け取って院外薬局で薬代を別途支払う流れになります。
受診の種類診察料の目安主な検査合計の目安(3割負担)
初診約850円血液検査・心電図・尿検査3,000〜5,000円
再診(安定期・検査なし)約250〜400円血圧・体重測定のみ1,000〜2,000円
再診(検査あり)約250〜400円血液検査(3ヶ月ごと)2,000〜4,000円
※上記はあくまで目安です。受診する医療機関や検査内容・投薬内容により異なります。
定期通院のペースは医師の指示によって異なりますが、安定期では月1回または2ヶ月に1回の通院が一般的です。血液検査は3ヶ月ごと、尿検査は2ヶ月ごと、心電図は6ヶ月ごとを目安に実施されることが多いため、検査がある月は費用が高くなります。
降圧薬の薬代の目安とジェネリックの活用
高血圧の治療では、カルシウム拮抗薬(けっかんをひろげる薬)やARB(アンジオテンシンII受容体拮抗薬:血圧を上げるホルモンの働きを抑える薬)、ACE阻害薬、利尿薬などが単独または組み合わせて処方されます。薬の種類・用量・先発品かジェネリック(後発品)かによって費用は大きく異なります。
先発品の降圧薬は薬の種類や容量によって幅がありますが、1ヶ月分の薬代は3割負担でおおむね1,000~3,000円程度が目安です(薬剤別の目安は下表を参照)。ジェネリック医薬品に切り替えると先発品の2〜7割程度の費用に抑えられ、月の薬代が数百円〜1,000円台になることも珍しくありません。なお、2024年10月からジェネリックがある先発品をあえて選ぶ場合は差額の一部を自己負担する「選定療養」制度が始まっており、2026年度中にはその負担額がさらに引き上げられる方向で検討されています。
薬の種類先発品(3割負担・月額)ジェネリック(3割負担・月額)
カルシウム拮抗薬(1種類)1,500〜3,000円300〜800円
ARB(1種類)1,000〜2,500円200〜500円
配合剤(2種類合剤)2,000〜3,500円500〜1,200円
※上記はあくまで目安です。受診する医療機関や検査内容・投薬内容により異なります。
薬局の窓口で「ジェネリックに変えてもらえますか?」と伝えるだけで切り替えられるケースがほとんどです(ただし、処方箋に医師が「変更不可」と指示している場合は、薬局では変更できません)。長期治療において費用負担の軽減に大きく役立つため、主治医や薬剤師に積極的に相談してみることをお勧めします。

