胃カメラの生検で悪性である確率は?メディカルドック監修医が、胃カメラにおける生検の基本や、悪性である実際の確率、生検が必要になる主なケース、そして結果を待つ間の正しい過ごし方について解説します。

監修医師:
嬉野 浩樹(うれしの外科胃腸科クリニック)
資格・専門医
日本外科学会 外科専門医
日本消化器外科学会 消化器外科専門医、消化器がん外科治療認定医
日本がん治療認定医機構 がん治療認定医
日本肝臓学会 肝臓専門医
日本消化器病学会 消化器病専門医
胃カメラで行うことがある生検(組織診断)とは?
胃カメラの途中で生検が追加されるのは珍しいことではありません。見た目だけでは良性か悪性か判断しきれない部分を、顕微鏡で確かめるための大切な検査です。
胃カメラ(上部消化管内視鏡検査)とは?
胃カメラは、口または鼻から細い内視鏡を入れ、食道・胃・十二指腸を直接観察する検査です。胸やけ、みぞおちの痛み、食欲低下、貧血、黒い便などの原因を調べるときに行われます。胃だけでなく、食道や十二指腸の病変も確認できます。
そもそも生検(組織診・細胞診)とはどのような検査なのか
生検は、胃カメラで気になる部分の粘膜を小さく採取し、病理医が顕微鏡で調べる検査です。胃カメラで行うのは主に組織診で、採取した組織から「がんがあるか」「どのような性質の病変か」を確認します。見た目が似ていても、炎症と腫瘍では治療方針が大きく変わるため、生検は確定診断に重要です。
胃カメラの生検が必ずしも「がん」を意味するわけではない理由
生検は、悪性を疑う病変だけでなく、慢性胃炎、萎縮性胃炎、びらん、潰瘍、ポリープ、ピロリ菌感染の評価でも行われます。検診の場面でも、疑わしい部位があればそのまま生検して組織診を行うことがあります。つまり、「生検になった=がん確定」ではありません。
胃カメラで生検が必要になる主なケースとは
医師は、見た目だけでは診断が確定できないときに生検を考えます。特に「良性に見えても確認が必要な病変」が対象になります。
見つかった胃ポリープや胃の萎縮・慢性胃炎が良性か悪性か見るため
胃ポリープや胃粘膜の荒れ、萎縮性胃炎では、炎症性変化なのか腫瘍性変化なのかを区別する必要があります。ピロリ菌感染が長く続くと、胃粘膜の萎縮や腸上皮化生が進み、胃がんのリスクが高くなることが知られています。そのため、内視鏡で気になる所見があれば生検で確認します。
潰瘍やびらんの治癒過程を確認するため
胃潰瘍やびらんは、炎症や薬の影響でも起こりますが、がんが潰瘍の形で見つかることもあります。潰瘍が本当に良性の変化か、治り方に問題がないかを確かめる目的で生検を行うことがあります。
ピロリ菌検査を行うため
胃カメラ中に採取した組織を使い、迅速ウレアーゼ試験、鏡検法、培養法などでピロリ菌を調べることがあります。ピロリ菌感染は慢性胃炎や萎縮性胃炎を引き起こし、胃がんの重要な危険因子です。

