3歳の息子とやさしい夫…理想の家庭を築いていると信じていた聡美だったが、夫・茂樹のスマホ依存に違和感を抱く。寝静まった夜、指紋認証を突破してのぞいた画面にあったのは、産後直後からつづく卑劣な「セフレ募集」の裏アカウントで…。
何かをかくしている夫…
「太陽、おやさいも食べようねー」
3歳になる息子の太陽が、口の周りをケチャップだらけにしてわらう。
その姿をながめながら、私は心からしあわせを感じていた。夫の茂樹はやさしくて、子煩悩。絵に描いたようなしあわせな家族…そう、信じていた。
茂樹の様子が「おかしい」と感じ始めたのは、ほんのささいな違和感からだった。 以前はリビングのテーブルに無造作においていたスマホを、肌身はなさず持ち歩くようになった。
トイレに行くときも、お風呂に入る時も。そして、ふとした瞬間に画面をのぞき込んでは、ニヤニヤとうす気味わるい笑みをうかべている。
「シゲくん、最近スマホばっかりじゃない? 何かおもしろいことでもあるの?」
私がたずねると、茂樹はあからさまに動揺してスマホを伏せた。
「えっ? ああ、別に。仕事の連絡だよ。ほら、最近プロジェクトがいそがしいだろ?」
ウソをつく時、彼はいつも鼻の頭をかくクセがある。
31歳にもなって、そんなわかりやすいウソが通用すると思っているのだろうか。
スマホには驚愕の真実が…
その夜、茂樹が泥のようにねむりについた午前2時。
私はふるえる手で、彼の枕元からスマホをぬきとった。指紋認証は、ねている彼の親指をそっと当てるだけでかんたんに突破できた。
画面を開くと、真っ先に目に飛び込んできたのは、見なれないSNSのアイコン。彼が持っているはずのない、「裏アカウント」だ。
プロフィール欄には、はき気がするような文言がならんでいた。
” 都内A区住み。30代前半。がっつりエッチが好きです! わり切った関係のセフレ募集。奥さんとはレス気味(笑) 秘密厳守で会える人DMください!"
「…ウソでしょ?」
心臓の音が耳元でうるさくなりひびく。 メッセージの履歴を開くと、そこにはおびただしい数の女性へのアプローチがのこされていた。

