「最近、物忘れが増えた」「将来の認知症が心配」と感じる人は少なくありません。毎日の食事は、健康維持だけでなく、脳の健康を支える大切な要素の一つです。
ロマリンダ大学の研究員らは、卵の摂取とアルツハイマー病発症リスクとの関連について調査し、卵を食べる頻度が高い人ほど発症リスクが低い傾向があることを報告しました。この内容について田頭先生に伺いました。

監修医師:
田頭 秀悟(たがしゅうオンラインクリニック)
鳥取大学医学部卒業。「たがしゅうオンラインクリニック」院長 。脳神経内科(認知症、パーキンソン病、ALSなどの神経難病)領域を専門としている。また、問診によって東洋医学的な病態を推察し、患者の状態に合わせた漢方薬をオンライン診療で選択する治療法も得意としている。日本神経学会神経内科専門医、日本東洋医学会専門医。
研究グループが発表した内容とは?
編集部
ロマリンダ大学の研究員らが発表した内容を教えてください。
田頭先生
米国・ロマリンダ大学の研究員らは、卵を食べる頻度が高い人ほど、アルツハイマー病を発症するリスクが低い傾向があることを報告しました。本研究では、米国のセブンスデー・アドベンチスト教会の信者を対象とした大規模追跡調査データを使用し、食事や生活習慣とアルツハイマー病の発症状況を分析しました。約3万9000人を平均15年以上追跡した結果、卵をほとんど食べない人と比べて、月に1〜3回食べる人、週に1回食べる人、週に2〜4回食べる人、週に5回以上食べる人では、アルツハイマー病の発症リスクが低くなっていました。特に週5回以上食べる人では、リスクが約27%低い結果となりました。
この研究では、卵に含まれる栄養素が脳の健康を守る働き(神経保護作用)に関係している可能性が示されています。ただし、「卵を食べれば必ずアルツハイマー病を防げる」という意味ではなく、健康的な食生活の一部として取り入れることが重要だと考えられます。
認知症予防になる食べ物とは?
編集部
卵以外に、認知症予防に効果があるとされている食べ物について教えてください。
田頭先生
認知症予防になる食べ物とは、脳の健康維持や生活習慣病の予防につながる栄養素を含む食品のことです。例えば、青魚に多く含まれるDHAやEPA(オメガ3脂肪酸)は、脳の構成成分となり、記憶力や判断力の維持に関係すると考えられています。また、ほうれん草や小松菜などの緑黄色野菜、納豆などの豆類、果物に含まれる葉酸(ビタミンB群の一種)は、動脈硬化を進める物質の増加を抑える働きがあり、認知機能の低下予防に役立つ可能性があります。
さらに、カレーに使われるウコンに含まれる「クルクミン」や、コーヒー・緑茶に含まれる「ポリフェノール」も、脳の健康を支える成分として注目されています。赤ワインも少量であればポリフェノールの働きが期待されますが、過度な飲酒は逆に認知症リスクを高めるため注意が必要です。

