まさかの展開に、おじさんの印象が一変
すると次の瞬間、電車が次の駅に近づき大きく揺れると、人の隙間を縫うように動く一人の若い男の姿が目に入りました。「なんとその若い男の手が、目の前に立っていた女性のトートバッグの中へ入っていき……あまりのことに驚いた私は『えっ?』と固まってしまったんですよ」
一瞬、時間が止まったように感じたその直後。「おいっ!!」先ほどの男性の怒声が、再び車内に響き渡りました。男性は迷いなくその若い男の腕を掴み、次の瞬間、若い男は慌てて手を引き抜こうともがきますが逃げられません。
「そのまま2人は『離せよ!』『離すわけねぇだろ』と揉み合いだしたんですよね」
周囲がざわつく中、男性の動きには一切の迷いがありませんでした。
スリの手を無言で押さえ続けていた
「そしておじさんは『コイツ、人のカバン漁ってたぞ。誰か車掌呼んでくれ』と叫んだんですが、その声は先ほどまでの荒々しいものではなく、きちんと状況を伝えるための大声に感じました」車内の空気は一変しました。ちょうど駅に着き、別の人が駅員を呼びに走ると、掴まれていた若い男は観念したように動きを止めたそう。
「その間も男性は男の腕を離さず、ただ無言で相手を押さえ続けていたんですよね」

