これといった自覚症状はないまま、悪性リンパ腫(リンパ球ががん化して増殖する血液のがん)と診断されたT.Sさん(仮称)。会社の健康診断で胸部X線(レントゲン)検査の再検査を指示されたことをきっかけに、呼吸器内科・呼吸器外科・血液内科と3つの診療科を経て診断が確定したそうです。T.Sさんに発覚から診断、治療までの経緯と、闘病を支えてくれる人たちについて聞きました。
※本記事は、個人の感想・体験に基づいた内容となっています。2025年11月取材。
体験者プロフィール:
T.Sさん(仮称)
1988年生まれ、兵庫県在住。診断時はマネジメント職に従事していた。会社の健康診断で再検査となったことから、呼吸器内科・呼吸器外科・血液内科を経て、2025年5月に悪性リンパ腫と診断される。現在は経過観察中。
3つの診療科を受診後、やっと診断名がついた
編集部
病気が判明したきっかけは何でしたか?
T.Sさん
2025年3月末に受けた会社の健康診断で、胸部X線検査の再検査を指示されたことがきっかけです。前年にはなかった「縦隔(じゅうかく/左右の肺に挟まれた、心臓や気管・食道などがある胸の中央部分)が一部腫れて見える」という所見があり、検査結果と紹介状をもらいました。
編集部
診断が確定するまでに、3つの診療科を受診されたそうですね。
T.Sさん
はい。検査を受ける度に担当科が変わり、呼吸器内科、呼吸器外科、血液内科を受診しました。2025年4月から病院に通い始め、5月末に悪性リンパ腫と診断が確定しました。
編集部
診断が下された瞬間は、どのような心境でしたか?
T.Sさん
「やっと診断名がついたな」と思いました。
編集部
それまで自覚症状はなかったのでしょうか?
T.Sさん
これといった自覚症状はありませんでした。ただ、以前と比べるとマスクを着けているときに息苦しさを感じたり、運動中に呼吸がしにくいと感じたりすることはありました。また、食事制限や運動をしていないにもかかわらず、健康診断では前年より体重が約2kg減少していました。
今までと変わらず接してくれる家族や周囲の人たちが心の支えに
編集部
どのように治療を進めていくと、医師から説明されましたか?
T.Sさん
「エビデンスで治療方法が確立しているため、ドキソルビシン・ブレオマイシン・ビンブラスチン・ダカルバジンの4種類の抗がん剤を組み合わせた化学療法を行う」と説明されました。また、「治療中に効果を評価し、変化が乏しい場合は治療方法を変更する」とのことでした。
編集部
発症後、生活にはどのような変化がありましたか?
T.Sさん
治療開始に合わせて休職しました。免疫が低下するため、病院以外の外出はできるだけ控えるようにしています。
編集部
病気と向き合う上で、心の支えになっているものを教えてください。
T.Sさん
家族と知り合いの存在です。家族は治療の送迎や食事管理、生活面での援助をしてくれています。知り合いは、病院の選択肢をさまざまな視点から調べて情報を提供してくれたり、治療に同行してくれたりしました。治療開始前には決起集会を開いて励ましてくれ、定期的に体調を気に掛けてくれることもあります。何よりも、今までと変わらず接してくれていることが、大きな心の支えになっています。
編集部
もし昔の自分に声を掛けられるとしたら、どんな言葉を伝えたいですか?
T.Sさん
「どんなことにも意図があると思う。過去は変えられないけど、未来は変えることができる。全てがネガティブなことではないし、自分にとって大きなターニングポイントになる」と伝えたいですね。
編集部
現在の服用薬について教えてください。
T.Sさん
スルファメトキサゾール・トリメトプリム合剤(合成抗菌薬)を毎朝0.5錠ずつ服用しています。

