彼からのプロポーズを渋り続けた
こんな家で育ったこともあり、私が「結婚したくない」と思うのは必然でした。祖父のようにお酒を飲む人はイヤ。母が苦労しているのを見ていたので、結婚したとしても義実家同居はしたくない。それに、父のように不満があるのに何も言ってくれないのもイヤ。理想だけがどんどん高くなっていきました。
当時付き合っていた彼は、もちろんそんなことをしないとわかっていましたし、次男なので同居することもないとわかっていました。それでも、彼に「結婚するか!」と言われたときは、頑なに「それはちょっと……」と渋っていました。
今思えば、もっと別の答え方があっただろうに……彼には申し訳ない気持ちです。
彼との付き合いは4年。交際期間も長くなってくると、私は少しずつ実家の話をするようになりました。祖父母、父、母、妹の話……。
彼は話を遮ることなく、いつまでも「うんうん」と聞いてくれるのです。私は泣きながら話すことも度々ありました。そんなとき、彼は私が落ち着くまで一緒にいてくれました。
彼との結婚を決めた理由
「もう……結婚して家を出たい」。
そう初めて結婚を意識したのは、仕事でクタクタになって帰宅した夜でした。
そのころ、世間は長期休暇中なのに、私の職場は繁忙期。疲れておなかもペコペコで帰宅。母は横になってウトウトしながらテレビを見ていました。
母に「ごはん食べな」と言われて食卓を見ると、そこにはみんなが食べ残したおかずのみ。私の分を取り分けてあるわけでもなく、冷えきった残り物だけが並んでいました。残り物と呼べるのか、食べ残しと言うべきか。仕事して疲れて帰ってきたのに。家にお金だって入れているのに……と、私は虚しい気持ちでいっぱいになりました。
ふと電子レンジの近くを見ると、いつ仕事から帰ってくるかわからない妹のために、ラップされた山盛りの料理がありました。母曰く、妹は交代勤務で疲れているから料理を準備したとのこと。なぜ妹だけ特別扱いで、私には残飯しかないの……?
私はその日以来、帰宅途中のコンビニでパンを買い、車の中で食べ、帰宅したらすぐに風呂に入り、家族と話すことなく寝室へ行くようになりました。
この家にいるのを惨めに感じたからです。そこから、彼との結婚を真剣に考えるようになったのです。

