沈黙をやぶりとどいたのは、凛子からの"絶縁宣言"だった。SNSでの投稿が「マウント」だと決めつけられ、長年の不満を爆発させる凛子。「対話の余地がない」と悟った佳子は、しずかに謝罪と別れを告げ、すべての連絡を遮断する。
突然、来た友人からのメッセージ
凛子との電話から3か月。季節が変わり、私は仕事と育児に追われる日常にもどっていた。
凛子のことは心のすみにあったが、ムリに連絡を取ることはせず、彼女のSNSを時折ながめては「佐那ちゃん、大きくなったな」なんて思っていた。
そんなある朝、スマホがはげしくふるえた。
凛子からのLINEだ。通知画面に見えたのは、画面をうめ尽くすほどの長文。イヤな予感がして指がふるえた。
"私のSNS、全然見てないでしょ? 見てたらあんな投稿しないでしょ。マジで性格わるいよね。もういいよ、これで最後にするから"
「え…なに、これ」
メッセージをひらくと、そこにはSNSの閲覧に関する支離滅裂な怒りと、さらにおどろくべき内容がつづられていたのだ。
"SNSの件だけじゃない。ここ数年、佳子のことずっとがまんしてたんだよね。 子ども自慢、夫が家事する自慢。私が仕事でなやんでる時に「うちは順調だよ」って言ったの、一生わすれないから。 焼肉の件だって、結局マウントとりたかっただけでしょ? 「うちはいい肉買えるけど、あんたは3,000円はらいなさいよ」って。 もう佳子と付き合うの、ストレスでしかない。これ読んだら二度と連絡してこないで。ブロックするから"
言いがかりの数々…
読み進めるうちに、血の気が引いていくのがわかった。
(子ども自慢? 夫の家事自慢?)
私は単に、家族の近況を話していただけだ。共ばたらきだから協力しなきゃ回らないというグチのつもりだった。「順調」と言ったのは、彼女を心配させないための強がりだったのに…。
何よりショックだったのは、私のSNSでの何気ない投稿が、彼女の中では「イヤがらせ」として変換されていたことだ。
彼女が最近アップしていた「あたらしいバッグを買った」という投稿に、私が"いいね"をしていなかったとか、私が子どもと公園に行った投稿が、彼女をさそわなかったあてつけだとか…。

