女性の薄毛は、加齢やホルモンバランスの変化などを背景に、多くの人が悩みを抱える身近な不調です。一方で、「AGA(男性型脱毛症)と同じものなのか?」「どのように対処すればよいのか?」といった疑問を持つ人も少なくありません。今回は、FAGA(女性男性型脱毛症)の特徴やほかの脱毛症・AGAとの違いについて、ルートレディースAGAクリニック院長の清水先生に解説してもらいました。
※2026年4月取材。

監修医師:
清水 弘太郎(ルートレディースAGAクリニック)
三重大学医学部卒業。その後、桑名市総合医療センター初期臨床研修を修了し、三重大学医学部附属病院やさいたま市立病院などで麻酔科・形成外科診療に従事し経験を積む。複数の大手AGAクリニックにて勤務したのち、神奈川県鎌倉市に「ルートレディースAGAクリニック」を開院、院長となる。日本形成外科学会正会員、麻酔科標榜医、日本毛髪科学協会毛髪診断士。
女性の薄毛って多いの? 種類もいろいろ?
編集部
女性で薄毛を気にする人は多いのでしょうか?
清水先生
はい、実際には多くの女性が薄毛や髪のボリューム低下に悩んでいます。ただし、男性のように明確な脱毛パターンが出にくいため、「年齢のせい」と捉えて見過ごされているケースも少なくありません。分け目が目立つ、髪が細くなったといった変化はよく見られ、年齢にかかわらず相談件数が増えている印象です。
編集部
女性の薄毛には種類があるのでしょうか?
清水先生
女性の薄毛には、いわゆるFAGA、円形脱毛症、出産後の脱毛など、さまざまなタイプがあります。それぞれ原因が異なり、例えば円形脱毛症は自己免疫が関与し、出産後の脱毛はホルモン変化が影響します。原因ごとに対応が変わるため、見た目だけで判断してはいけません。なお、脱毛の広がり方による分け方として、びまん性脱毛や全頭性脱毛といった呼び方もあります。
編集部
FAGAについて教えてください。
清水先生
FAGAは女性に見られる進行性の脱毛症で、頭頂部や分け目を中心に全体的にボリュームが減っていきます。男性のように生え際が後退するというより、髪一本ずつが細くなり密度が低下していきます。進行は緩やかなため、かえって変化に気付きにくい点が特徴です。
編集部
どのような人に起こりやすいのでしょうか?
清水先生
加齢や遺伝に加え、女性ホルモンの変化が関与すると考えられているため、更年期前後の人に多く見られます。更年期になると、髪の成長期が短くなり、十分に太く長く育つ前に抜けてしまうため、全体のボリューム低下を感じる人が増えてきます。また、生活習慣やストレスなど複数の要因が重なることで発症・進行するケースも多いとされています。
男性の薄毛とどう違う? 見た目と原因の違い
編集部
AGAとは、どう違うのでしょうか?
清水先生
最も大きな違いは脱毛のパターンです。AGAが生え際やM字部分から後退するのに対し、FAGAは頭頂部や分け目を中心に全体のボリュームが減っていきます。一般的には「地肌が透ける」「髪をまとめる際にコシがなくなった」といった変化として表れるケースが多いといわれています。
編集部
原因の違いはありますか?
清水先生
男性は男性ホルモンの影響が中心ですが、女性はホルモンバランスの変化に加えて、加齢や生活習慣など複合的な要因が関与します。先ほども解説したように、一つの原因だけで説明できないことが多い点が特徴です。
編集部
自分でできる対策はありますか?
清水先生
基本は生活習慣の見直しです。栄養バランスのよい食事や十分な睡眠、ストレス管理は髪の健康にも関わります。また、過度なダイエットや偏った食事は髪に影響するため注意が必要です。ただし、生活習慣の見直しはあくまで土台であり、進行している場合は改善が難しいこともあります。対処せずに進行すると密度の低下が目立ちやすくなるとされ、早めに医療機関へ相談することが予後の面でも望ましいと考えられます。

