
関東地方に待ちに待った恵みの雨が降った翌日、3月28日。栃木県・粕尾川では、いよいよ渓流解禁日を迎えた。今年は例年に比べて気温は高めだったものの、山深い粕尾の渓はやはり肌寒い。夜中まで降り続いた雨で、川沿いに咲く桜も寒そうに雨露に濡れていた。 昨年の初釣行では、釣り人の多さに驚き、そして魚たちの活性の高さにも驚かされた粕尾川。今年は初めて粕尾川を訪れる友人とともに、あの果敢にルアーを追ってきた魚たちとの再会を求め、川へと向かうことに。そこには、予想もしなかった魚との出会いも待っていた。
まだまだ渇水状態の粕尾川!警戒心の強い魚たちに苦戦の朝!
道中、下粕尾から中粕尾へと川沿いを進むと、目に飛び込んできたのは渇水状態の川。ようやく降ったまとまった雨ではあったが、粕尾川にとってはお湿り程度だったようだ。
友人たちは上流域の支流へ、私たちは上粕尾地区へと分かれて釣りを開始することに。まだ5時30分だというのに、上粕尾の川沿いは車がずらりと並び、まさに満員御礼状態。続々と釣り人も集まり始め、私たちも急いで川へ向かう。
昨年も朝イチに入った細尾橋下流を目指す。強い流れから小さな落ち込みが続き、下流には大きな淵が構える好ポイントだ。エサ釣りの方が多かったため、まずは手前の強い流れなど、エサを入れづらいポイントから攻めることにした。
ここ粕尾川では、解禁日に放流が行われるのが通例。しかし渇水の影響もあり、放たれたヤマメたちはあっという間に深場へ姿を消していった。開始10分、上流に入った相方が早々に1尾を手にしたものの、後が続かない。私に至ってはチェイスすらない時間が続く。
今日の粕尾川、一筋縄ではいかない予感がしてきた。
ボトムを“渋めカラー”のミノーで攻めよ!
どこへ投げても反応なし。エサ釣りの人もポツポツと釣果は上がるものの、全体的に苦戦している様子だ。
この渇水状態に加え、釣り人の多さ。魚たちの警戒心が高まるのも無理はない。
「さて、どう攻めるのが正解か?」
こうした厳しい状況で考え、試しながら釣り進める時間は、実に楽しいものだ。
水深があり流れの強いポイントだったため、まずはヘビーシンキングミノーを選択。アップでの反応は無し。立ち位置を変え、サイドからドリフトさせると一瞬のチェイスが見えた。
ここで粘る。ルアーチェンジを繰り返すなか、一瞬のフッキングには持ち込んだものの惜しくもバラし。反応を見せたのは、赤金やピンク、グリーンといった派手カラーではなく、ブラック系、アユカラー、濃い紫などの暗めカラーだった。スプーンやスピナーにも反応はない。
ここからは暗めカラーのミノーでボトムを重点的に探る。ダウンで大きなトゥイッチを入れた瞬間──ヒット!その後方には、数匹のヤマメが追走しているのも見える。一気に活性が上がった感触だ。
どうやら「コース」「レンジ」「ミノーカラー」が噛み合ったようだ。試しに派手カラーへ戻すと無反応。再びヒットカラーに戻せばチェイスが出る。時間帯や水温で変化はあるだろうが、確実に答えに近づいている。
ボトム+大きなトゥイッチ+暗めカラー。このパターンで攻め続けると、これまでの苦労が嘘のような反応の良さに変わり、連続ヒットも。楽しい時間が一気に広がった。

